○平成14年職員の給与に関する報告(平成14年8月8日)(抄)
5 地域における公務員給与の在り方
近時、各地域に勤務する公務員の給与について、その水準がその地域の民間給与に比べて高いのではないかとの指摘が多くなっている。官民の給与は、精確な調査・比較を通じ、全体としては均衡が図られているが、公務員給与は広く国民の理解を得られるものであることが必要であることから、地域ごとの公務員給与の在り方について、その地域の民間給与をより反映していくことに配慮する必要がある。
本院は、昨年の給与勧告の際の報告において、このような問題認識に立って、民間給与の実態把握及び公務部内の給与配分の在り方について幅広く見直しを行うことを表明し、検討を行ってきた。本年は、各地方公共団体の人事委員会の協力を得て、前記のとおり平成14年職種別民間給与実態調査について、より的確に民間給与の実情等を把握するため標本事業所の層化・抽出方法の見直しを行った。
また、この問題については、本年6月25日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」において、「人事院や地方公共団体の人事委員会等は、地域毎の実態を踏まえて給与制度の仕組みを早急に見直すなどの取組みを行う必要がある。」とされ、内閣より人事院にもその旨の要請がなされたところである。
公務部内の給与配分の在り方の見直しについては、本院は、従来より調整手当の支給地域や支給割合の見直しなど地域間の給与配分の適正化に努めてきたところであるが、今後、各地域における公務員給与の在り方の見直しを給与配分の適正化の観点から適切に進めていくためには、本府省と地方の配分や世代間の配分等にも目を配りながら、俸給制度や地域関連手当をはじめとする諸手当の在り方の抜本的な見直しを行う必要がある。
この問題は、公務の労使など関係者が多く、また、各府省の人材確保や人事異動への配慮も必要であるほか、地方公共団体にも影響することなどから、幅広く深い検討を早急に必要とするものであり、本院としては、学識経験者を中心とする研究会を直ちに設置し、関係各方面と幅広く意見交換しながら、早急に結論を得ることができるよう、具体的な検討を進めていくこととする。
|