人事院規則10―11(育児又は介護を行う職員の早出遅出勤務並びに深夜勤務及び超過勤務の制限並びに意向確認等)の運用について
(平成10年11月13日職福―443)
(人事院事務総長発)
 
最終改正:令和7年4月25日 職職― 135
 
 標記について下記のとおり定めたので、平成11年4月1日以降は、これによってください。
 
 
第3条関係
 1 各省各庁の長は、「公務の運営」の支障の有無の判断に当たっては、請求に係る時期における職員の業務の内容、業務量、代替者の配置の難易等を総合して行うものとする。
 2 この条の第1号の「小学校就学の始期に達するまで」とは、満6歳に達する日以後の最初の3月31日までをいう。
 3 各省各庁の長は、育児又は介護を行う職員を早出遅出勤務とする措置の実施に当たっては、早出遅出勤務に係る始業及び終業の時刻、休憩時間並びに休息時間をあらかじめ定めて職員に周知するものとする。この場合において、当該始業及び終業の時刻は、それぞれ午前5時以後及び午後10時以前に設定するものとする。
 4 この条の規定による請求は、子が出生する前においてもすることができるものとする。
第4条関係
 1 この条の第2項の通知は、文書により行うものとし、公務の運営に支障がある場合にあっては、当該支障のある日及び時間帯等を記載して通知するものとする。
 2 子が出生する前に請求をした職員は、子が出生した後、速やかに、当該子の氏名及び生年月日を各省各庁の長に届け出なければならない。この場合において、人事院規則15―14(職員の勤務時間、休日及び休暇)第27条第3項の規定による届出又は人事院規則15―15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)第4条第1項第11号に掲げる場合に該当することとなった旨の届出を行った女子職員にあっては、これらの届出をもってこの届出に代えることができるものとする。
第5条関係
  第1項第3号の「同居しないこと」とは、早出遅出勤務をすることとなる期間を通じて同居しない状態が続くことが見込まれることをいう。
第6条関係
 1 「人事院の定める者」は、次のいずれにも該当する者とする。
  一 深夜において就業していない者(深夜における就業日数が1月について3日以下の者を含む。)であること。
  二 負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により請求に係る子(人事院規則15―14第4条の3第1項第2号イにおいて子に含まれるものとされる者を含む。第10条関係第3項、第14条関係第6項及び第7項、別紙第1並びに別紙第2において同じ。)を養育することが困難な状態にある者でないこと。
  三 6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産する予定である者又は産後8週間を経過しない者でないこと。
 2 各省各庁の長の「公務の運営」の支障の有無の判断については、第3条関係第1項の規定の例による。
 3 「深夜勤務をさせてはならない」とは、常勤の職員(国家公務員の育児休業等に関する法律(平成3年法律第109号。以下「育児休業法」という。)第13条第1項に規定する育児短時間勤務職員及び育児休業法第22条の規定による短時間勤務をしている職員(以下この項において「育児短時間勤務職員等」という。)を除く。)並びに国家公務員法(昭和22年法律第120号)第60条の2第2項に規定する定年前再任用短時間勤務職員及び育児休業法第23条第2項に規定する任期付短時間勤務職員(以下この項において「定年前再任用短時間勤務職員等」という。)にあっては、深夜において、勤務時間を割り振ってはならないこと並びに一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成6年法律第33号。以下「勤務時間法」という。)第13条第1項及び第2項に規定する勤務を命じてはならないことをいい、育児短時間勤務職員等にあっては、深夜において勤務時間を割り振ってはならないことをいい、常勤を要しない職員(定年前再任用短時間勤務職員等を除く。)にあっては、深夜において、勤務時間を定めてはならないこと及び当該勤務時間以外の時間における勤務を命じてはならないことをいう。
 4 この条の規定による請求は、子が出生する前においてもすることができるものとする。
第7条関係
 1 深夜勤務の制限の請求は、できる限り長い期間について一括して行うものとする。
 2 この条の第2項の通知については、第4条関係第1項の規定の例による。
 3 子が出生する前に請求をした職員の当該子の氏名及び生年月日の各省各庁の長への届出については、第4条関係第2項の規定の例による。
第8条関係
  第1項第3号の「同居しないこと」とは、深夜勤務を制限することとなる期間を通じて同居しない状態が続くことが見込まれることをいう。
第9条関係
 1 「業務を処理するための措置」とは、業務の処理方法、業務分担又は人員配置を変更する等の措置をいう。
 2 「災害その他避けることのできない事由」とは、地震による災害等通常予見し得る事由の範囲を超え、客観的にみて避けられないことが明らかなものをいう。
 3 この条の規定による請求は、子が出生する前においてもすることができるものとする。
第10条関係
 1 「業務を処理するための措置」については、第9条関係第1項の規定の例による。
 2 この条の規定による請求は、子が出生する前においてもすることができるものとする
 3 各省各庁の長は、この条の規定による超過勤務の制限が、育児又は介護を行う職員が働きながら子の養育又は要介護者の介護を行うための時間を確保することができるようにするものであることを考慮し、この条の規定により超過勤務が制限される職員に、恒常的に超過勤務をさせること、特定の期間に過度に集中して超過勤務をさせることその他の当該時間の確保を妨げるような超過勤務をさせることがないように留意しなければならない。
第11条関係
 1 超過勤務の制限の請求は、制限が必要な期間について一括して行うものとする。
 2 この条の第2項の通知は文書により行うものとする。
 3 この条の第4項の通知は、変更した超過勤務制限開始日を記載した文書により行うものとする。
 4 子が出生する前に請求をした職員の当該子の氏名及び生年月日の各省各庁の長への届出については、第4条関係第2項の規定の例による。
第12条関係
  第1項第3号の「同居しないこと」とは、超過勤務を制限することとなる期間を通じて同居しない状態が続くことが見込まれることをいう。
第13条関係
  この条において読み替えて準用する、規則(人事院規則10―11(育児又は介護を行う職員の早出遅出勤務並びに深夜勤務及び超過勤務の制限並びに意向確認等)をいう。以下同じ。)第5条第1項第2号、第8条第1項第2号及び第12条第1項第2号の「要介護者と当該請求をした職員との親族関係が消滅した場合」とは、請求に係る要介護者が、離婚、婚姻の取消し、離縁等により職員の親族でなくなった場合をいう。
第14条関係
1 この条の第1項又は第2項の規定により、職員に対して第4項又は第9項に規定する事項を知らせるための措置を講ずること及び第3項又は第8項に規定する制度又は措置に係る職員の意向を確認するための措置を講ずることは、職員による出生時両立支援制度等又は育児期両立支援制度等の請求、申告又は申出(以下「請求等」という。)が円滑に行われるようにすることを目的とするものであることから、各省各庁の長は、これらを行うに当たっては、職員による出生時両立支援制度等又は育児期両立支援制度等の請求等を控えさせることとならないように配慮しなければならない。
2 この条の第1項又は第2項の規定により、職員に対してこれらの項の各号に掲げる措置を講じる場合には、次のいずれかの方法(⑶に掲げる方法にあっては、当該職員が希望する場合に限る。)によって行わなければならない。
 ⑴  面談による方法
 ⑵ 書面を交付する方法
 ⑶ 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第1号に規定する電気通信をいい、以下「電子メール等」という。)の送信の方法(当該職員が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
3 この条の第1項第1号の「人事院が定める制度又は措置」は、次に掲げる制度又は措置とする。
 ⑴ 育児休業法第12条第1項に規定する育児短時間勤務
 ⑵ 育児休業法第26条第1項に規定する育児時間
 ⑶  勤務時間法第6条第3項の規定により人事院規則15―14第4条の3第1項第2号イの子を養育する職員として申告をした職員について勤務時間を割り振らない日を設け、又は勤務時間を割り振ること。
 ⑷  規則第3条の規定により早出遅出勤務をさせること。
 ⑸  規則第6条の規定により深夜勤務をさせないこと。
 ⑹  規則第9条又は第10条の規定により超過勤務をさせないこと。
 ⑺  人事院規則15―14第22条第1項第8号又は人事院規則15―15第4条第2項第1号の規定による保育のために必要と認められる授乳等を行う場合の休暇
 ⑻  人事院規則15―14第22条第1項第9号又は人事院規則15―15第4条第1項第12号の規定による妻の出産に伴う休暇
 ⑼  人事院規則15―14第22条第1項第10号又は人事院規則15―15第4条第1項第13号の規定による子の養育のための休暇
 ⑽  人事院規則15―14第22条第1項第11号又は人事院規則15―15第4条第2項第2号の規定による子の看護等のための休暇
 ⑾  「職員の勤務時間、休日及び休暇の運用について(平成6年7月27日職職―328)」(以下「勤務時間等関係運用通知」という。)第6の第3項⑵イの規定により子を養育する職員の休憩時間を延長すること(「人事院規則15―15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について(平成6年7月27日職職―329)(以下「規則15―15運用通知」という。)第2条関係第2項の規定によりこれに準じて取り扱う場合を含む。)。
 ⑿  勤務時間等関係運用通知第6の第3項⑶アの規定により子を養育する職員の休憩時間を短縮すること(規則15―15運用通知第2条関係第2項の規定によりこれに準じて取り扱う場合を含む。)。
 ⒀  人事院規則15―15第2条第2項の規定により勤務時間を定めること(規則15―15運用通知第2条関係第5項及び第6項の規定により⑶に規定する勤務時間を割り振らない日の設定又は勤務時間の割振りの例に準じて取り扱う場合に限る。)。
 ⒁  ⑴から⒀までに掲げるもののほか、職員の仕事と育児との両立に資する措置(国家公務員法第98条第1項に規定する命令により住居その他これに準ずるものにおける勤務をさせる措置及び職員の小学校就学の始期に達するまでの子に係る保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与を含む。)として当該職員が在職する府省において講じられている措置であって、当該職員が利用することができるもの
4 この条の第1項第1号の「人事院が定める事項」は、次に掲げる事項とする。
 ⑴  前項⑴から⒁までに掲げる制度又は措置
 ⑵  ⑴の請求先、申告先又は申出先
 ⑶  国家公務員共済組合法(昭和33年法律第128号)第68条の5第1項に規定する育児時短勤務手当金その他これに相当する給付に関する必要な事項
5 この条の第1項第3号の「規則19―0第32条第1項の規定による申出に係る子の心身の状況又は育児に関する申出職員の家庭の状況に起因して当該子の出生の日以後に発生し、又は発生することが予想される職業生活と家庭生活との両立の支障となる事情の改善に資する事項」又はこの条の第2項第3号の「対象職員の3歳に満たない子の心身の状況又は育児に関する対象職員の家庭の状況に起因して発生し、又は発生することが予想される職業生活と家庭生活の両立の支障となる事情の改善に資する事項」には、例えば次に掲げる事項が含まれる。
 ⑴  始業又は終業の時刻
 ⑵  勤務の場所
 ⑶  業務量の調整
6 この条の第2項の対象職員が複数の3歳に満たない子を養育している場合において、そのうち1人の子に係る次項に規定する期間内にこの条の第2項の規定による措置を講じた時点がその他の子に係る次項に規定する期間の始期の到来前であるときは、当該その他の子に係る当該期間内にこの条の第2項の規定による措置を講じなければならない。
7 この条の第2項の「人事院が定める期間」は、対象職員の子が1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日までの1年間とする。
8 この条の第2項第1号の「人事院が定める制度又は措置」は、第3項⑴から⑹まで及び⑼から⒁までに掲げる制度又は措置とする。
9 この条の第2項第1号の「人事院が定める事項」は、次に掲げる事項とする。
 ⑴  前項に規定する制度又は措置
 ⑵  ⑴の請求先、申告先又は申出先
第15条関係
1 この条の第1項の規定により、職員に対して第3項に規定する事項を知らせるとともに職員の意向を確認するための措置を講ずることは、職員による介護両立支援制度等の請求等が円滑に行われるようにすることを目的とするものであることから、各省各庁の長は、これを行うに当たっては、職員による介護両立支援制度等の請求等を控えさせることとならないように配慮しなければならない。
2 この条の第1項の「人事院が定める制度又は措置」は、次に掲げる制度又は措置とする。
 ⑴ 勤務時間法第6条第3項の規定により人事院規則15―14第4条の3第1項第2号ロの要介護者を介護する職員として申告をした職員について勤務時間を割り振らない日を設け、又は勤務時間を割り振ること。
 ⑵ 勤務時間法第20条第1項に規定する介護休暇又は人事院規則15―15第4条第2項第4号の規定による要介護者の介護をするための休暇
 ⑶ 勤務時間法第20条の2第1項に規定する介護時間又は人事院規則15―15第4条第2項第5号の規定による要介護者の介護をするための休暇
 ⑷ 規則第13条の規定により読み替えられた規則第3条の規定により早出遅出勤務をさせること。
 ⑸ 規則第13条の規定により読み替えられた規則第6条の規定により深夜勤務をさせないこと。
 ⑹ 規則第13条の規定により読み替えられた規則第9条又は第10条の規定により超過勤務をさせないこと。
 ⑺ 人事院規則15―14第22条第1項第12号又は人事院規則15―15第4条第2項第3号の規定による要介護者の世話を行うための休暇
 ⑻ 勤務時間等関係運用通知第6の第3項⑵イの規定により要介護者を介護する職員の休憩時間を延長すること(規則15―15運用通知第2条関係第2項の規定によりこれに準じて取り扱う場合を含む。)。
 ⑼ 勤務時間等関係運用通知第6の第3項⑶アの規定により要介護者を介護する職員の休憩時間を短縮すること(規則15―15運用通知第2条関係第2項の規定によりこれに準じて取り扱う場合を含む。)。
 ⑽ 人事院規則15―15第2条第2項の規定により勤務時間を定めること(規則15―15運用通知第2条関係第5項及び第6項の規定により⑴に規定する勤務時間を割り振らない日の設定又は勤務時間の割振りの例に準じて取り扱う場合に限る。)。
3 この条の第1項の「人事院が定める事項」は、次に掲げる事項とする。
 ⑴ 前項⑴から⑽までに掲げる制度又は措置
 ⑵ ⑴の申告先、請求先又は申出先
 ⑶ 国家公務員共済組合法第68条の4第1項に規定する介護休業手当金その他これに相当する給付に関する必要な事項
4 この条の第1項又は第2項の規定により、職員に対して前項に規定する事項を知らせる場合には、次のいずれかの方法(この条の第1項の規定による場合における⑶に掲げる方法にあっては、当該職員が希望する場合に限る。)によって行わなければならない。
 ⑴ 面談による方法
 ⑵ 書面を交付する方法
 ⑶ 電子メール等の送信の方法(当該職員が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
5 この条の第1項の「人事院が定める措置」は、次に掲げる措置(⑶に掲げる措置にあっては、職員が希望する場合に限る。)とする。
 ⑴ 面談
 ⑵ 書面の交付
 ⑶ 電子メール等の送信(当該職員が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
6 この条の第2項の「40歳に達した日」とは、40歳の誕生日の前日をいう。
第16条関係
この条の第1項第3号の「人事院が定める介護両立支援制度等に係る勤務環境の整備に関する措置」は、次に掲げる措置とする。
⑴ 職員の介護両立支援制度等の利用に関する事例の収集及び職員に対する当該事例の提供
⑵ 職員に対する介護両立支援制度等及び介護両立支援制度等の利用の促進に関する方針の周知
第17条関係
1 早出遅出勤務請求書、深夜勤務制限請求書及び超過勤務制限請求書の様式は、別紙第1のとおりとする。ただし、各省各庁の長は、職員を早出遅出勤務とする措置又は職員の深夜勤務若しくは超過勤務を制限する措置に関し支障のない範囲内で、様式中の各欄の配列を変更し又は各欄以外の欄を設定する等当該様式を変更し、これによることができる。
2 規則第5条第3項、第8条第3項及び第12条第3項の届出(規則第13条において準用するこれらの届出を含む。)は、別紙第2の様式の育児又は介護の状況変更届により行うものとする。ただし、各省各庁の長は、職員を早出遅出勤務とする措置又は職員の深夜勤務若しくは超過勤務を制限する措置に関し支障のない範囲内で、様式中の各欄の配列を変更し又は各欄以外の欄を設定する等当該様式を変更し、これによることができる。
 
以   上
 
別紙第1( PDF
別紙第2( PDF
Back to top