人事院における政策評価

 人事院は、その地位及び独立性に鑑み、行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成13年法律第86号)に基づく政策評価の実施主体には位置づけられていません。人事院における政策評価は、府省等が実施している政策評価とは異なり、独自の方法により実施しています。

1.政策評価の対象となる政策

から政策評価の対象となる政策を選定します。

2.政策評価実施計画

 政策評価実施計画には次の事項を記載します。

(1)求める政策効果(あるべき姿)

 求める政策効果が得られた状況を「あるべき姿」として記述します。

(2)重要目標達成指標(KGI)、KGIの目標値等及び確認時期

 KGIは、あるべき姿を指標として書き下したもので、数値又は状態で記述します。「あるべき姿になったか」を評価するための指標です。
 政策によっては、効果を確認できる時期が異なるので、確認時期も記述します。

(3)最重要成功要因(CSF)

 CSFは、あるべき姿を実現する上で、特に影響すると考える要因です。

(4)具体的取組

 具体的取組は、CSFに影響を与え、働きかけるプロセスです。

(5)重要業績評価指標(KPI)及びKPIの目標値等及び確認時期

 KPIは、具体的取組の完了条件を指標として表したものとして、数値又は状態で記述します。「(あるべき姿を実現するために)やるべきことをやったか」を評価するための指標です。

3.政策評価結果

 政策評価実施計画で設定したKGI、KPIの全ての確認時期が到来した評価対象政策を対象に評価を実施します。
 政策評価結果には、「2.政策評価実施計画」で掲げた事項に加え、次の事項を記載します。

(1)得られたアウトプット、具体的取組の達成状況(KPIに対する評価)

 アウトプットとは、具体的取組の実施状況を指し、KPIの実績値を記述します。また、具体的取組の達成状況(KPIに対する評価)を○又は×で記述します。

(2)得られたアウトカム、政策効果の発現状況(KGIに対する評価)

 アウトカムとは、具体的取組により政策の対象(国家公務員等)に生じた変化を指し、KGIの実績値を記述します。また、政策効果の発現状況(KGIに対する評価)を○又は×で記述します。

(3)評価対象政策の評価

 政策評価を通して政策をより良いものにしていくには、どこに課題があるのかを見つけやすくする必要があります。そのため、「やるべきことをやったか」(KPIで評価)、「あるべき姿になったか」(KGIで評価)という二つの評価軸を用い、それぞれ達成、未達成の組合せで、表1のとおり「目標達成」、「アプローチの改善が必要」、「更なる効率化が可能」、「抜本的見直しが必要」の四つのどれに該当するかにより評価します。KPI又はKGIを複数設定した場合は、全ての指標について基準を満たしていた場合、達成と評価します。
表1 評価の定義
  政策効果の発現状況(KGIに対する評価)
達成 未達成
具体的取組の達成状況(KPIに対する評価) 達成 目標達成 アプローチの改善が必要
未達成 更なる効率化が可能 抜本的見直しが必要

(4)施策の分析(具体的取組の有効性等)

 具体的取組の有効性や設定したCSFの妥当性等について記述します。

(5)今後の政策に反映させるべき事項

 (3)の評価に応じて、表2に掲げる観点からの検討等を行い、今後の政策に反映する事項等を記述します。
表2 評価に対する今後の施策への検討事項
評価 検討事項
目標達成 ・更に改善できる部分はないか。
・今回達成した状況を起点とした新たな課題はないか。
アプローチの改善が必要 ・実現可能なKGIを設定していたか。
・KGIの達成に有効と考えられる別の具体的取組はないか。
更なる効率化が可能 ・KGIの設定水準が低すぎるということはないか。
・具体的取組のプロセスに省力化、効率化の余地はないか。
抜本的見直しが必要 ・実施可能なKPIを設定していたか

4.学識経験を有する者の知見の活用

 政策評価の客観性を確保し、評価の質を高めるため、学識経験者等からなる人事院における政策評価に関する懇談会を開催し、意見を聴くなど、学識経験を有する者の知見の活用を図っています。

5.結果の反映

 政策評価結果を踏まえ、政策等についての見直し・改善を行います。

6.情報の公開等

 政策評価実施計画、政策評価結果等は、人事院ホームページで公開しています。

 政策評価についてのご意見・ご要望等は以下のお問合せ先で受け付けています。

お問合せ先

 

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