妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント

妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントとは

  職場における職員に対する下記に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること
   
① 次の事由
    ⑴  妊娠したこと
    ⑵ 
出産したこと
    ⑶ 妊娠又は出産に起因する症状により勤務することができないこと若しくはできなかったこと又は能率が低下したこと
    ⑷ 不妊治療を受けること

   ② 妊娠又は出産に関する制度又は措置の利用
   ③ 育児に関する制度又は措置の利用
   ④ 介護に関する制度又は措置の利用

●勤務環境が害されること

典型例として、「不利益取扱いの示唆」、「業務上の必要性に基づかない制度の利用等の阻害」、「繰り返し嫌がらせをすること」などが挙げられます。なお、業務上の必要性に基づく言動によるものは、本ハラスメントには該当しません。

●対象者の範囲

典型的には、上司又は同僚から行われるものが該当します。

●場所的・時間的な範囲

「職場における」言動によるものが本ハラスメントの対象となります。「職場」には懇親の場等であって職務と密接に関連する場所も含まれ、勤務時間内に限定されるものではありません。

妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの典型例(限定列挙ではありません)

●不利益取扱いの示唆
・育児休業の取得を上司に相談したところ「次の昇格はないと思う」と言われた。
●業務上の必要性に基づかない制度の利用等の阻害
・介護休暇の利用を周囲に伝えたところ、同僚から「自分は利用しないで介護する。あなたもそうするべき」と言われた。
「でも、自分は利用したい」と再度伝えたが、再度同じ発言をされ、利用をあきらめざるを得ない状況になった。
●繰り返し嫌がらせをすること
・「自分だけ短時間勤務をするのは周りを考えていない。迷惑だ」と繰り返し又は継続的に言われ、
勤務する上で看過できない程度の支障が生じた。

業務上の必要性に基づく言動(具体的例)

●上司
・業務体制を見直す目的で、育児休業の利用の希望期間を確認すること。
・業務状況を考えて、翌日に妊婦健診に行く職員に、その次の妊婦健診日について特定の日を避けることができるか、相談すること。

●同僚
・自分がフレックスタイム制を利用する目的で、同僚のフレックスタイム制の内容を尋ね、変更を相談すること

※相談が実質的に強要になっている場合は、本ハラスメントになり得ます。
日頃から適切なコミュニケーションをとることが重要です。

妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの禁止

●職員の責務

「職員は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントを生じさせる言動をしてはならない。」(人事院規則10―15第5条第1項)
本ハラスメントを防止するためには、職員の一人一人が、妊娠、出産、育児又は介護に関する否定的な言動(不妊治療に対する否定的な言動を含め、他の職員の妊娠、出産、育児又は介護の否定につながる言動をいう。)は、本ハラスメントの原因や背景となることを認識し、本ハラスメントを生じさせる言動をしないように行動することが重要です。

●監督者の責務

職員を監督する地位にある者(監督者)は、良好な勤務環境を確保するため、日常の執務を通じた指導等により本ハラスメントの防止に努めるとともに、本ハラスメントが生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければなりません。

<参考>妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する人事院規則等
人事院規則10―15(妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等)
人事院規則10―15(妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等)の運用について(平成28年職職―273)

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