第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動き

第1章 適正な公務員給与の確保等

3 定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出の取扱い

高齢期雇用に関して、多くの民間企業においては、再雇用制度を設けて対応しているところ、再雇用者の大多数がフルタイム勤務となっており、定年を引き上げる企業も一定数見られる。一方、公務においては、厳しい定員事情等もあって、再任用職員の多くが下位の官職に短時間勤務で就いている状況が続いている。

少子高齢化が急速に進展する中において、複雑・高度化する行政課題に的確に対応し、質の高い行政サービスを維持していくためには、高齢層職員の能力及び経験を本格的に活用することが不可欠である。このため、平成30年8月、人事院は、国会及び内閣に対し、定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出を行った。政府においては、人事院の意見の申出を踏まえて検討が行われ、令和元年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019」において「公務員の定年を段階的に65歳に引き上げる方向で検討する」とされた。

人事院は、令和元年8月7日の人事院勧告時の報告において、人事院の意見の申出を踏まえ、定年の引上げを実現するための措置が早期に実施されるよう改めて要請した。

政府において引き続き検討が行われた結果、令和2年3月13日、「国家公務員法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、第201回国会に提出された。同法案においては、令和12年4月1日に定年が65歳となるよう、令和4年4月1日から2年ごとに1歳ずつ定年を引き上げることとされるとともに、60歳に達した管理監督職の職員は原則として管理監督職以外の官職に異動させることとする管理監督職勤務上限年齢制(いわゆる役職定年制)、60歳以降の職員について多様な働き方を可能とする定年前再任用短時間勤務制等を新たに設けることとされている。人事院としては、定年の引上げが円滑に行われるよう、必要な準備を進めていくこととしている。