人事院の所掌事務及び組織

人事院は、国家公務員法に基づき昭和23年12月に創立された中央人事行政機関であり、①公務員人事管理の公正性を確保すること、②労働基本権制約に対する代償として職員の利益の保護を図ること、及び③人事行政の専門機関として、社会一般の情勢に的確に対応した施策を推進し、国民から信頼される効率的な行政運営を確保することを主な使命としている。このため内閣の所轄の下、他から指揮されることなく中立・公正に職務を執行するとともに、国会に対する勧告も認められている。

人事院は、その役割を果たすため、

  • ・ 勤務環境の整備などを通じた公務の能率的な運営の確保等
  • ・ 多様な有為の人材の確保、育成等
  • ・ 社会経済情勢に適応した適正な給与の実現等
  • ・ 職員の利益の保護を通じた公正な人事管理の確保
  • ・ 能力・実績に基づく人事管理の推進
  • ・ 公務員及び人事行政に対する国民の理解の促進
  • ・ 職員の職務に係る倫理の保持を通じた国民の信頼の確保

を目標として、時代の要請に応える人事行政の実現に努めている。

〈所掌事務〉

人事院は、国家公務員法、一般職の職員の給与に関する法律その他の法律に基づいて、勤務条件の改善勧告、法令の制定改廃に関する意見の申出、人事行政改善の勧告、採用試験、任免、給与、研修、分限、懲戒、苦情の処理、職務に係る倫理保持等に関する事務を所掌している。

織〉

人事院は、人事官3人をもって組織され、そのうち1人は総裁として命ぜられる。人事官は、国会の同意を経て内閣より任命され、その任命は天皇より認証される。人事院の重要な権限の行使については、この3人の人事官で構成する人事院会議の議決が必要とされている。令和2年度には人事院会議が56回開催された。

人事院には、事務機構として事務総局が置かれている。事務総局は事務総長の総括の下に5課(総務、企画法制、人事、会計、国際)、2室(公文書監理、情報管理)、4局(職員福祉、人材、給与、公平審査)、公務員研修所、8地方事務局(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州)及び沖縄事務所から成っており、令和2年度末における職員定数は616人である。

また、人事院には、職務に係る倫理の保持に関する事務を所掌させるため、国家公務員倫理審査会が置かれており、会長及び委員4人をもって組織されている。国家公務員倫理審査会には、事務機構として事務局が置かれており、令和2年度末における職員定数は12人である(巻末参考資料3参照)。

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