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第1編 《人事行政》

【第3部】平成25年度業務状況

第5章 職員の勤務環境等

第8節 服務及び懲戒

2 懲戒

(1)懲戒制度の概要、懲戒処分に関する指導等

各府省等の任命権者は、職員が、①国公法若しくは倫理法又はこれらの法律に基づく命令に違反した場合、②職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合、③国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合のいずれかに該当するときは、当該職員に対し、懲戒処分として免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができるとされている(国公法第82条第1項)。その具体的手続は、国公法及び規則12-0(職員の懲戒)に定められている。

任命権者が懲戒処分を行うときは、職員に処分説明書を交付することとされている。人事院は各府省等よりその写しの提出を受けて、毎年の懲戒処分の状況を把握・公表するとともに、必要に応じ各府省等に対し指導を行うなど、懲戒制度の厳正な運用について徹底を図っている。

(2)懲戒処分の状況

平成25年に懲戒処分を受けた職員総数は332人(免職25人、停職65人、減給156人、戒告86人)であり、前年に比べて51人減少している。

処分数を府省等別にみると、法務省が最も多く、次いで国土交通省、国税庁の順になっている。また、処分の事由別にみると、公務外非行関係、通常業務処理関係(業務処理不適正、報告怠慢等)、一般服務関係(欠勤、勤務態度不良等)の順に多くなっている(資料5-45-5)。

平成25年中において、懲戒処分を行った事例としては、以下のようなものがあった。

  • 四国地方整備局における入札談合等関与事案

    四国地方整備局における土木工事の発注に関し、未公表情報である入札関連情報を特定の事業者に教示した高知県内の歴代の事務所副所長(改築担当及び道路担当)7人に対して免職処分が行われ、未公表情報である予定価格を上記事務所副所長(道路担当)に提供した歴代の事務所副所長(河川担当)3人に対して停職処分が行われた。また、上記職員を監督する立場にあった歴代の四国地方整備局長及び事務所長に対して訓告の措置が行われた。

  • 検察事務官による守秘義務違反事案

    静岡地方検察庁に勤務する検察事務官が、現に捜査中である刑事事件の捜査の端緒及び求刑予定に関する情報を暴力団幹部らに漏えいしたとして国家公務員法違反の罪で起訴され、当該検察事務官に対して免職処分が行われた。また、監督責任として非違行為時の静岡地方検察庁検事正ら6人に対して訓告等の監督上の措置が行われた。

各任命権者は、懲戒処分が行われるべき事件が刑事裁判所に係属している間においても、人事院の承認を経て(職員が、公判廷における供述等により、懲戒処分の対象とする事実で公訴事実に該当するものがあることを認めている場合には、人事院の承認があったものとして取り扱うことができる。)、適宜、懲戒処分を行うことができることとされている。この手続により、平成25年においては、5府省等で8人(免職6人、停職1人、減給1人)に対して懲戒処分が行われた。


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