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はじめに


人事院は、公務の民主的かつ能率的な運営を国民に対し保障するという国家公務員法の基本理念の下、人事行政の公正の確保と職員の利益の保護等その使命の達成に努め、人事行政の面から我が国の行政の一翼を担ってきており、人事院勧告制度をはじめとする公務員制度は、行政運営の基盤として重要な機能を果たしてきた。

公務員制度改革については、平成26年4月に内閣総理大臣が幹部職員人事の一元管理等に関する事務を行うことなどを内容とする国家公務員法等の一部を改正する法律(平成26年法律第22号)が成立し、同年5月30日にその事務を担う組織として内閣人事局が設置された。この改正法において、人事院は、引き続き、人事行政の公正の確保及び労働基本権制約の代償機能を担うこととされ、そのために必要な事務を行うこととなった。今後は、人事院、内閣総理大臣が、それぞれが担うこととされた機能を十全に発揮し、それぞれが所掌する制度を適切に運用していくことが重要であると考える。

人事院は、引き続き担うこととされた役割を適切に果たし、現下の人事行政の諸課題、特に、能力・実績に基づく人事管理の推進、女性の採用・登用の拡大、勤務環境の整備等に対応した人事施策の策定・推進に積極的に取り組んでいくことが重要であると考えており、具体的な取組を推進している。

公務員制度を巡る環境が変化する中においても、人事行政の公正の確保及び労働基本権制約の代償機能は公務員制度の根本を支えている重要な機能であり、人事院としてはその責務を適切に果たしていく所存である。

本報告書の構成は、2編からなり、第1編は「人事行政」全般について、第2編は「国家公務員倫理審査会の業務」の状況について記述している。このうち第1編は3部からなり、第1部は、適正な公務員給与を確保するための給与勧告等、人事行政の公正性を確保するための各方策、女性国家公務員の採用・登用の拡大のための取組など平成26年度における人事行政の主な動きについて記述している。次いで第2部では、特別テーマとして「東アジア諸国と我が国の公務員制度」と題し、東アジア諸国における公務員制度改革の取組と人事院の支援、国際機関を通じた腐敗防止の取組への貢献の状況等を紹介するとともに、今後の国際協力の展望について記述している。第3部では、平成26年度の人事院の業務状況について、各種資料を掲載して詳細に記述した。

本報告書により、人事行政及び公務員に対する理解が一層深まることを願うものである。


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