第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動き

第4章 公務部門における障害者雇用に関する取組

2 障害者の任用に向けた対応

(1)障害者選考試験の実施

国家公務員の採用の枠組みとしては、採用試験のほか、各府省が行う選考により採用する方法及び非常勤職員として採用する方法があるが、平成30年度中に常勤職員を相当数採用する取組が進められている状況の下で、上記の基本方針を受けて、障害者を常勤職員として採用するための方法として、統一的な選考の枠組みを活用することについて検討を行った。その結果、各府省の採用計画における職務内容、規模等を基に一般行政事務に従事する係員を採用するためのものとした上で、第一次選考として人事院が基礎能力試験及び作文試験を統一的に実施し、その通過者の中から各府省が第二次選考として採用面接を行って最終合格者を決定する形で障害者選考試験を実施することとした。

平成30年10月24日に人事院が公表した障害者選考試験の概要は以下のとおりである。

平成30年度障害者選考試験の概要

1 対象

定型的な事務をその職務とする係員

2 受験資格 次の要件(1)及び(2)を満たす者

(1)次に掲げる手帳等の交付を受けている者 

  • ア 身体障害者手帳又は都道府県知事の定める医師(以下「指定医」という。)若しくは産業医による障害者の雇用の促進等に関する法律別表に掲げる身体障害を有する旨の診断書・意見書(心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう若しくは直腸、小腸、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫又は肝臓の機能の障害については、指定医によるものに限る。)
  • イ 都道府県知事若しくは政令指定都市市長が交付する療育手帳又は児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医若しくは障害者職業センターによる知的障害者であることの判定書
  • ウ 精神障害者保健福祉手帳

(2)1959(昭和34)年4月2日以降に生まれた者(2018(平成30)年4月1日において、学校教育法に定める義務教育を終了した日から起算して2年以上の者に限る。)

3 試験日程

受験申込受付期間 平成30年12月3日〜12月14日
第1次選考日 平成31年2月3日
第1次選考通過者発表日 平成31年2月22日
第2次選考日 平成31年2月27日〜3月13日
合格者発表日 平成31年3月22日

4 試験種目

選考段階 試験種目 解答題数(解答時間) 内容
第1次選考 基礎能力試験
(多肢選択式)
30題(1時間30分) 公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
作文試験 1題(50分) 文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験
第2次選考 採用面接 各府省の採用予定機関における個別面接等

※ 第1次選考の試験問題は、高校卒業程度の試験問題

5 試験の区分

北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄

当該試験においては、当初の採用予定者数676人に対し、申込者数は8,712人、第一次選考の通過者数は2,302人、第二次選考を経て合格者(採用内定者)となった者の数は754人であった。なお、第一次選考の実施に当たり、1,524人から受験上の配慮の申出があり、点字による試験、試験時間の延長、パソコンを利用した受験等の配慮を行った。

なお、2019年度障害者選考試験については、平成30年度の実施状況等を十分に踏まえて検討を行い、実施することとしている。

(2)多様な任用形態の確保等

基本方針において、障害者選考試験に並行して、障害者を対象として、各府省において個別に選考採用を実施することとされていることを踏まえ、人事院としても各府省の選考採用が統一的に進められるよう障害者を採用するに当たっての募集、採用方法、採用時の配慮等の基本的な考え方を示した「障害者の採用に係る募集及び採用の方法等に関する基本的な考え方等について」(平成30年人材局企画課長通知)を各府省に提示した。

このほか、障害者が非常勤職員として勤務した後、各府省における選考を経て常勤職員となることを可能とするステップアップの枠組みを導入することとされた基本方針を受けて、その手続の統一性、公正性等を確保するため、「障害者を対象としたステップアップの枠組みについて」(平成30年内閣人事局人事政策統括官、人材局長通知)を各府省に提示した。具体的には、非常勤職員の常勤官職への転任等における選考の手続について、障害者については通常と異なり、広く行うこととされている公募を各府省内等に限定して実施できることや、筆記試験等の能力実証方法に代えて官職に必要とされる技能の確認を行えること等を示した。

また、障害特性等に応じた適切な対応を図る観点から雇用の安定確保等に関する運用指針を策定することとされた基本方針を受けて、公務部門における障害者雇用を着実に進めていく観点に立ち、「障害者を非常勤職員として任用する際の制度運用について」(平成30年人材局長、内閣人事局人事政策統括官通知)を各府省に提示した。

具体的には、期間業務職員の再採用について、これを希望する障害者については連続2回まで再採用すべきことや、期間業務職員以外の非常勤職員の任期更新について、これを希望する障害者については連続2回まで任期更新すべきことを、それぞれ新たに任命権者に努力義務を課すこと等を定めた。