第1編 人事行政

第2部 風通しのよい職場環境づくりに向けて〜職員の声から見える公務職場の実情を踏まえて〜

第3章 課題と対応

第1節 苦情相談等から見える課題

3 管理職員に求められる能力の変化

近年、苦情相談において、パワハラなど、管理職員と部下職員とのコミュニケーション不足や管理職員の育成・指導の在り方などに起因する事案が増加している。

管理職員が、組織を運営し、業務上の成果を出すことを求められる中で、ともすれば、時間的制約の下で、自らがプレーヤーとなったり、部下に個別具体的に指示を与え、その指示に忠実に従わせる形をとったりしながら、業務処理を進めることがあるものと思われる。

さらには、それが行き過ぎると、自らの過去の成功体験を基に、それが唯一絶対の方法であるとして、仕事の進め方や、とるべき施策の判断などを、部下に一方的に押し付けて従わせるといった形をとることにもつながるが、これはまさにパワハラにもなりかねないものである。管理職員アンケートにおいても、特に地方機関において、マネジメント経験が少ないなど、マネジメントに関する不安も多いことがうかがえる。

こうした手法に対しては、厳しい条件下で短期的な成果を求められる管理職員にとって、やむを得ないとの見方がされることもある。しかしながら、これを続けていては、長期的に見て、部下職員の成長の芽を摘むことで、的確な育成が図られず、結果として組織のパフォーマンスの向上につながらない。

管理職員として、部下職員の不安や悩みに応えつつ、適切な育成を図っていくためには、これまで以上に意識して、各職員と適切にコミュニケーションを図っていくことが肝要になるものと考える。

また、第2章の事例5及び事例6で「セクシュアル・ハラスメント」及び「パワー・ハラスメント」の事例を取り上げたが、これらの事例のように、不適切な指導等により、職場環境の悪化や職員の健康に悪影響を及ぼすなどの事態が生じており、これらを防止することは、喫緊の課題である。