日本の国家公務員の行政職俸給表(一)における本省課室長相当職以上の職員に占める女性の割合が2014年に3.0%であるのに対し、各国における2012年の管理職員・幹部職員に占める女性の割合をみると、40%を超えるスウェーデンから10%を下回る韓国まで幅があるものの、日本の割合を大幅に上回っている。
幹部要員の入口選抜を行っている国における幹部要員としての採用者に占める女性の割合をみると、イギリスが1990年代後半から平均して5割程度、ドイツでは、1990年代前半で既に30%程度に達しており、韓国では、2005年には38.4%、2010年には46.7%と高い水準にある。なお、フランスにおいては、1990年代以降の平均で30%程度となっている。
アメリカにおいては、幹部要員の入口選抜を行っていないが、連邦政府職員に占める女性の割合は、1990年代後半以降は45%程度で推移しており、その中から女性の管理職員・幹部職員が登用されてきている。
なお、スウェーデンでは、1990年代半ばに中央政府職員に占める女性の割合は、既に約55%となっている。
このように、各国においては、採用時に一定割合以上の女性を確保し、これらの中から優秀な者を育成し、管理職員・幹部職員に登用するという人事運用が定着している。
一方、日本においては、採用後管理職となるまでに要する期間を考慮すると、1990年代前半までにⅠ種試験で採用された女性の数が極めて限られていたことが管理職員・幹部職員が少ないことの原因となっていると考えられる(1986年から1994年までのⅠ種試験採用者に占める女性の割合の平均は8.6%)。