民間企業等からの採用時の給与決定について

(令和8年4月1日給2―54)

(人事院事務総局給与局長発)

 

最終改正:令和8年7月30日給2―106

 

 民間企業等から職員を採用するに当たっては、各府省において採用される者の専門性や業績等を適切に評価し民間企業等における経験を十分に考慮して給与を決定することが求められます。

 このため、民間企業等からの採用時の給与決定について別紙及び参考資料のとおり取りまとめましたので、令和8年4月1日以降は、これらの内容を参考にしつつ、適切な給与決定を行うための仕組みを更に積極的に活用してください。

 なお、これに伴い、「民間企業等からの採用時の給与決定及び職員の昇格の柔軟な運用について(令和7年2月12日給2―15・給3―16)」は、廃止します。

 

 

 

別紙

民間企業等からの採用時の給与決定について

 

1 民間における企業体、団体等の職員等としての在職期間について

経験年数換算表(人事院規則9―8(初任給、昇格、昇給等の基準)(以下「規則」という。)別表第4)の「国、地方公共団体、旧公共企業体、政府関係機関、外国政府又は民間における企業体、団体等の職員等としての在職期間」 欄のうち、「職員としての職務にその経験が直接役立つと認められる職務に従事した期間(常時勤務に服する者として職務に従事した期間又はこれに準ずる期間に限る。)」欄を適用する場合は、100分の100の換算率で換算することとされている。
この場合において、「職員としての職務にその経験が直接役立つと認められる職務に従事した期間」には、各府省の特定の所掌事務において必要とされる専門的知識や経験を活用する職務に従事した期間だけでなく、各府省に共通する職務に役立つ汎用的な能力(説明能力、調整能力、企画能力等)を活用して職務に従事した期間も含まれる。【別添「参考資料」問1参照】

 

2 自営業・フリーランス等の期間について

自営業・フリーランス等の期間については、原則として、経験年数換算表の経歴欄の左欄の「その他の期間」欄が適用されるが、経験年数換算表の適用に当たっては職務内容、就業実態等を踏まえ総合的に判断することとなるため、例えば、業務委託による個人事業主として職務に従事していた期間であっても、その実態から「国、地方公共団体、旧公共企業体、政府関係機関、外国政府又は民間における企業体、団体等」の職員等としての在職期間と相違ないと認められる場合には、「国、地方公共団体、旧公共企業体、政府関係機関、外国政府又は民間における企業体、団体等の職員等としての在職期間」欄を適用して差し支えない。 経験年数換算表の経歴欄の左欄の「その他の期間」欄が適用される場合、当該期間が「職員としての職務にその経験が直接役立つと認められる職務に従事した期間」に該当すると認められる場合には100分の100以下の換算率で換算することができる。この場合において、「職員としての職務にその経験が直接役立つと認められる職務に従事した期間」に、各府省に共通する職務に役立つ汎用的な能力を活用して職務に従事していた期間も含まれることは上記1と同様であることから、自営業・フリーランス等の期間についても、この点を踏まえた上で、職員としての職務にその経験が直接役立つと認められる職務に従事し、民間企業等における常時勤務に服する者として職務に従事した期間に相当すると認められる場合には、「その他の期間」欄の「職員としての職務にその経験が直接役立つと認められる職務に従事した期間」の区分を適用した上で、当然に100分の100の換算率で換算することとなる。
 

3 経験者採用試験等の結果に基づいて新たに職員となった者の職務の級及び号俸の決定について

① 経験者経験者採用試験、選考等の結果に基づいて新たに職員となった者(以下「経験者試験等採用者」という。)の職務の級は、その者の占めることとなる官職の職務とその複雑、困難及び責任の度が同程度の職務に従事する部内の他の職員の職務の級を踏まえ、当該経験者試験等採用者の有する知識経験、免許等を考慮して決定することとされている(規則第11条第3項)。したがって、経験者試験等採用者の職務の級を決定するに当たっては、その者の有する経験年数にかかわらず、その者の従事することとなる職務に応じて決定することとなる。

② 経験者試験等採用者の号俸は、同じ初任給基準表の区分を受け、その者の有する経験年数に相応する経験年数を有する部内の他の職員の号俸を踏まえ、当該経験者試験等採用者の有する能力等を考慮して決定する(規則第12条第1項第2号)こととされている。 したがって、当該経験者試験等採用者の能力等を考慮し、当該経験者試験等採用者の有する経験年数に相応する経験年数を有する部内の他の職員の号俸を踏まえた上で、それを超える号俸に決定することも可能である。 なお、経験者試験等採用者の有する「能力等」には、「勤務実績及び公務外における実績」も含まれることとされている(給実甲第326号(人事院規則9―8(初任給、昇格、昇給等の基準)の運用について)(以下「事務総長通達」という。)第12条関係第1項)ことから、経験者試験等採用者の号俸を決定するに当たっては、民間企業での実績等に対する社会における一般的な報酬、給与等の評価額及び前職の給与等を考慮することができる。【別添「参考資料」問3参照】
 

4 特定任期付職員に係る号俸決定等について

特定任期付職員(一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律(平成12年法律第125号)第7条第1項に規定する特定任期付職員をいう。以下同じ。)は、高度の専門的な知識経験又は優れた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合に採用することができるものである。具体的には、一定の業務経験や活動実績を有する、弁護士若しくは公認会計士、大学の教員若しくは研究所の研究員又は高度のデジタル人材のほか、アクチュアリー(保険数理士)、不動産鑑定士、税理士、専門分野のコンサルタント業務経験者、航空機の操縦士等が採用されている。
特定任期付職員の号俸は、その者の専門的な知識経験又は識見の度並びにその者が従事する業務の困難及び重要の度に応じて決定することとされている(人事院規則23―0(任期付職員の採用及び給与の特例)第6条)が、号俸決定に当たっては、採用予定者の専門的な知識経験等に基づく民間企業での実績等に対する社会における一般的な報酬、給与等の評価額等を考慮するものとされている(平成12年任企―590「任期付職員の採用及び給与の特例の運用について」任期付職員法第7条第2項及び第3項並びに規則第6条関係第1項)。
したがって、採用予定者の専門的な知識経験やその知識経験等を活用して業務に従事することにより期待される成果等を考慮し、その者にふさわしい給与を確保する必要性に応じて号俸決定を行うことが可能である。【別添「参考資料」問5参照】 
また、特定任期付職員の任期の中途において、その者の専門的な知識経験等又はその者が従事する業務の困難及び重要の度がより高度なものとなることに伴い、新たに号俸を決定することが必要であると認められる場合には、その者の号俸を新たに決定することができる(平成12年任企―590「任期付職員の採用及び給与の特例の運用について」任期付職員法第7条第2項及び第3項並びに規則第6条関係第3項)。【別添「参考資料」問7参照】

以   上



 

【参考資料】(HTML形式による表示上、正しいレイアウトとなっていません。PDFも御参照ください。)

民間企業等からの採用時の給与決定について

(目次)
問1 経験年数の換算における採用後の職務と異なる種類の職務に従事した期間の取扱い 
問2  採用前の職歴に係る事実確認について 
問3  経験者試験等採用者の号俸を部内の他の職員を超える号俸に決定する場合の例 
問4  経験者試験等採用者の号俸の決定に当たって、同じ経験年数を有する部内の他の職員がいない場合等の取扱い 
問5  特定任期付職員の号俸の決定に当たって役職段階等を考慮することの要否 
問6  特定任期付職員の同様の職務を行っている部内の他の職員との均衡に関する考え方 
問7  特定任期付職員の任期の中途において号俸の格付けを変更できる場合 

<参考>特定任期付職員に係る各府省の運用事例等

問1 経験年数換算表において、国、地方公共団体、旧公共企業体、政府関係機関、外国政府又は民間における企業体、団体等の職員等としての在職期間について「職員としての職務にその経験が直接役立つと認められる職務に従事した期間(常時勤務に服する者として職務に従事した期間又はこれに準ずる期間に限る。)」は100分の100の換算率で換算する旨定めている。前職において従事していた職務の内容が採用時に就く予定の職務の内容とは異なっていても、当該欄を適用できるのか。
答 適用できる。なお、常時勤務に服する者として職務に従事した期間に準ずる期間とは、例えば、常時勤務に服する者以外の者であって勤務形態等が常時勤務に服する者と類似するものとして職務に従事した期間をいい、これに該当するのであれば、アルバイトをしていた期間も含まれる。 
 
問2 中途採用者の採用前の職歴について、どのように事実確認を行い、経験年数の換算を行えばよいか。
答 採用者の給与決定に当たり過去のどの期間にどのような職務に従事していたかを確認する手段としては在職証明書によることが多いと考えられるが、事実確認に当たっては、在職証明書によらずとも、源泉徴収票、厚生年金の加入記録、給与明細、雇用契約書、労働条件通知書、本人の申立書等を活用することができる。これらによる事実確認の結果、当該期間が「職員としての職務にその経験が直接役立つと認められる職務に従事した期間」と認められる場合には、100分の100の換算率で換算することができる。
 
問3 経験者試験等採用者の号俸について、例えば、その者の有する経験年数と同程度の経験年数を有する部内の他の職員のうち、最も高い評価を受けている者の号俸が最高号俸に到達していない場合であっても、前職の給与を勘案したうえで、その者の能力等を評価し、採用時の職務の級の最高号俸に決定することができるか。 
答 可能である。 
 (参考)行政職(一)4級(本省係長級)最高号俸:年収840万円程度 
          行政職(一)6級(本省課長補佐級)最高号俸:年収940万円程度 
  (注)俸給月額、本府省業務調整手当、地域手当、期末手当、勤勉手当の合計額 
 
問4 経験者試験等採用者の号俸決定に当たり、同じ経験年数を有する部内の他の職員のうち、当該採用者の属する職務の級と同じ級に属する職員がいないときはどうすればよいか(①)。また、同じ経験年数を有する部内の他の職員がいない時はどうすればよいか(②)。 
答 ①について、例えば、経験者試験等採用者と同じ経験年数を有する部内の他の職員が、当該採用者の属する職務の級より上位又は下位の級に属している場合、当該部内の他の職員が昇格又は降格して当該採用者と同一の職務の級に属すると仮定した場合に受けることとなる号俸を踏まえ、当該採用者の号俸を決定することができる。 
  ②について、経験者試験等採用者の号俸は、同一の初任給基準表の区分を受け、その者の有する経験年数に相応する経験年数を有する部内の他の職員の号俸を踏まえることとされている(規則第12条第1項第2号)が、「相応する」は一定の幅をもっていることから、経験者試験等採用者の号俸決定に当たっては、その者が有する経験年数の数年前後の経験年数を有する部内の他の職員の受ける号俸を踏まえて決定することができる。
 
問5 例えば、課長補佐級のポストに特定任期付職員として採用された場合には特定の号俸に決定しなければならないといった決まりはあるのか。 
答 特定任期付職員の俸給表は、任期中においてその者の採用時において有する高度の専門的な知識経験等を活用して遂行する業務にふさわしい給与を確保できるようにするものであり、その者が採用後に行うこととなる業務の困難性や重要性の程度、その業務に必要とされる専門的な知識経験等に応じて弾力的に号俸を決定することができる。したがって、例えば課長補佐級のポストに採用された場合についても、特定の号俸に決定しなければならないということはない。
 
問6 特定任期付職員を高い給与水準に格付ければ、部内の同様の職務を行っている職員との均衡が崩れ、問題ではないか(職員に対して説明が困難ではないか)。
答 特定任期付職員の俸給表は、長期的雇用を前提として、採用後の能力の伸長や経験の蓄積に伴って、昇格、昇給等を行うという他の俸給表の枠組みによらず、その者の有する高度の専門的な知識経験やその広い知見に基づきその者が行うこととなる業務にふさわしい給与を確保することが必要であることから設けられたものである。したがって、部内の職員とは異なる枠組みで決定されるものであることから、同列に比較することは適当ではないと考える。
 
問7 特定任期付職員の号俸の格付け変更ができる場合としてどのようなケースが想定されるのか。
答 任期中は、原則、採用時に格付けられた号俸によることとなるものの、例外的に、採用後の業務の進展等によって、その者の従事する業務が変化する可能性もあるところである。したがって、このような任期中の業務の変化(高まり)により、継続的に現行の格付けを上回る、より高い給与上の評価が必要と認められる場合には、当該職員の従事する業務に応じた格付けの変更を行うことを想定している。
 

<参考>

① 特定任期付職員の採用例について 
 ア 弁護士又は公認会計士 
 イ 大学の教員又は研究所の研究員            } 全府省共通の運用例 
 ウ 高度のデジタル人材 
 
 エ アクチュアリー(保険数理士) 
 オ 不動産鑑定士 
 カ 税理士                                }個別府省の運用例 
 キ 専門分野のコンサルタント業務経験者 
 ク 航空機の操縦士 

② 特定任期付職員の俸給決定の例について 
<俸給表に定める号俸決定の例> 
 ア IT人材の例 
  ・ 情報処理技術者試験のシステム監査技術者資格ないしそれに相当する資格を保有し、システム関係実務の経験年数が5年以上の者を3号俸以上に決定(資格等を保有していない場合については、システム開発等の
業務経験や前職でのポジション等を総合的に勘案して決定) 
  ・ 上記要件に合致し、直近10年におけるシステム開発等の実務責任者としてのキャリアが3年以上認められる者を5号俸以上に決定(前職における役職・収入等も勘案して決定) 
 
 イ 弁護士・公認会計士の例 
  ・ 弁護士又は公認会計士登録日からA省採用日までの間の経験年数等を基準とし、前職における役職・収入等を勘案し、総合的に判断 
 
<俸給表に定めのない俸給決定の例> 
  ・ 指定職クラスの幹部職員に採用する際に、複数の者によって構成される選考委員会において、当該者の有する専門的な知識及び経験が募集要項で示された職務に見合うものであることを確認した上で、経済産業省等により策定されたITスキル標準が最高位であるレベル7の者にあってはいわゆる特別2号俸又は特別1号俸に、レベル6の者にあっては特別1号俸に決定

     
以   上 
Back to top