派 遣 研 修 (行政官長期在外研究員制度・行政官短期在外研究員制度)
 留学レポート紹介(行政官長期在外研究員制度)
 【レポート1 文部科学省 古屋圭織】    


  2023年7月から約2年間、米国留学の機会を頂きました。1年目はワシントンD.C.にあるジョージタウン大学ローセンターに、2年目はシカゴにあるノースウェスタン大学ロースクールに進学し、2つのLL.M.(法学修士号)を取得しました。ジョージタウン大学ではテクノロジー法・政策コースに所属し、人工知能やロボット、宇宙技術など新たなテクノロジーが既存の法律にどのような影響を与えるのか、またこれらのテクノロジーをどのように規制していくべきかを勉強しました。2年目は、1年目に勉強したことをベースに学術論文の執筆に集中し、教授から個別指導を頂きながら諸外国の科学技術規制を比較する論文を完成させました。併せて、パブリックスピーチや交渉術などビジネススキルに関する授業も履修しました。
 ダイナミックに変化する米国で、こうした勉強や幅広いバックグラウンドを持つ友人達との交流を通じ、自分がどのように科学技術や教育等に貢献できるのか改めて考え、自らの行政官としての決意を新たにする有意義な時間を過ごすことができました。

 
ジョージタウン大学ローセンターの卒業式にて
ジョージタウン大学ローセンターの卒業式にて
ノースウェスタン大学ロースクールの校舎
ノースウェスタン大学ロースクールの校舎
  【レポート2 国土交通省 宮崎俊平                                                          

 2023年9月から約2年間、人事院の行政官長期在外研究員制度を利用して英国留学の機会を頂きました。英国の修士課程は1年間で修了可能であるため、1年目はケンブリッジ大学で公共政策学、2年目はオックスフォード大学で環境変化マネジメントについて修士号を取得しました。世界的に有名な教授陣のもと、世界各国から集まった優秀なクラスメイトとディスカッション等を行い、研究の対象である公共政策や環境問題はもちろん、日本と外国の文化の違いなど様々なことについて多様な視点から考える機会を得られ、将来にもつながる大切な財産となりました。帰国後の業務に関係する、船にまつわる国際的な環境政策を研究対象とし、国土交通省の人脈を活かしながらインタビューを行いつつ、 修士論文を執筆できたのは、行政官長期在外研究員制度を活用したからこそ実現できたことでした。今後国家公務員の道を選択される皆様が、本制度を通じて自らの可能性を広げられることを祈念しております。 

歴史のある大学の建物
歴史のある大学の建物
 
 ケンブリッジ大学卒業式 
ケンブリッジ大学卒業式
    クラスメイトとのフォーマルディナー
クラスメイトとのフォーマルディナー
     

 
  【レポート3 財務省 大矢和樹

 2023年の夏から2年間、オーストラリアのブリスベンにあるクイーンズランド大学にて、経済学を学ぶ機会を頂きました。1年目は、演習や課題を通じて、定量的データの扱いや分析設計の基礎を実践的に学び、エビデンスに基づく政策立案の基礎となる素養を獲得しました。2年目には、より応用的・専門的な分野へと学習を発展させ、現代社会が直面する多様な政策課題に対して経済学的視点からアプローチする力を養うことができ、結果的には修士論文において、先行研究の乏しいテーマに取り組み、実務にも資する政策的示唆を得ることができました。社会人として、これほど長い期間、体系的かつ集中的に学ぶ機会を得られたことはかけがえのない財産であり、貴重な体験であったと考えています。今後も本制度を通じて、多くの方が専門性を高め、視野を広げる貴重な経験をされることを祈念しております。
 
 クイーンズランド大学 クイーンズランド大学     クイーンズランド大学
クイーンズランド大学
     

 
  【レポート4 法務省 大村若葉

 2023年8月から約2年間、人事院の行政官長期在外研究員制度を利用してジーゲン大学における教育・ソーシャルワーク修士課程で2年間研究活動に従事しました。私が所属していた学科では、教育社会学の観点からの非行や犯罪の研究を重点項目の一つに設定しており、これまで少年院等で勤務した経験を踏まえ、非行や犯罪の防止への働き掛けについて学びを深めることができました。また、これまでソーシャルワーカーとして働いてきた経験を有している学生が多くいたため、授業で展開される議論は実体験に基づいており、理論と実践を関連付けて学ぶことができた点は非常に有意義でした。ほかにも、教育、犯罪、福祉に関する専門家会議や、言語交換プログラムなどにも参加でき、かけがえのない財産となりました。関係者の皆様に感謝申し上げますとともに、国家公務員という道を選ばれた皆様が、一人でも多く、今後も本制度を通して貴重な経験をされることを祈っております。
 
 ジーゲン大学 ジーゲン大学     ジーゲンの近隣都市であるボンの桜並木
ジーゲンの近隣都市であるボンの桜並木
     

 
  【レポート5 警察庁 北川咲

 2023年7月から2年間、オランダのライデン大学において、コンピュータサイエンスに係る修士課程で研究する機会を頂きました。本課程では、行政学と情報通信技術(ICT)という異なる学域を横断的に学び、現実の行政課題に対するICTを活用した解決策の研究が重視されています。
  私は、欧州警察刑事機構主催の国際会議を通じて知り合ったオランダ国家警察の協力を得て、同警察のサイバー加害者対策班でインターンを行いました。サイバー加害者対策(COP)は、若年化するサイバー犯罪者に着目し、ICTスキルの高い青少年をサイバーセキュリティ人材として育成するという世界的に新しい取組ですが、警察組織内での施策浸透が課題でした。そこで、私は大規模言語モデルによるチャットボットの導入を提案し、当地の警察官と共同でプロトタイプを開発したところ、本研究からCOPにおけるチャットボットの有効性が示されました。今後は、本研究成果を日本の警察行政にいかし、サイバー加害者対策の推進に貢献していきたいと考えています。
 
 国際会議での発表 
国際会議での発表
    インターンシップの修了式"
インターンシップの修了式
     

 
 在外研究レポート紹介(行政官短期在外研究員制度)
 
【レポート1 厚生労働省 北原加奈子 
 
 2018年7月より1年間、米国政府での調査研究の機会を頂きました。7月から11月はCDC(疾病管理予防センター)にて、11月からは保健福祉省ASPR(事前準備・対応次官補局)にて公衆衛生危機管理の実践について学ばせて頂いております。
米国は公衆衛生危機管理において世界をリードする位置づけにあり、その米国の政府内で業務の実際を見せて頂ける機会は、本制度だからこそ実現できたものです。単に米国政府の考え方や仕事の進め方、最先端の研究成果等を知るのみならず、日本政府からの派遣という立場から我が国の取組について尋ねられることも多く、改めて日本についても理解を深める機会となりました。また様々なご縁を頂き、米国や各国の行政官との絆が出来たことも得難い経験となりました。関係者の皆様に感謝申し上げますとともに、今後も本制度を通して多くの方が貴重な経験をされることを祈っております。
 


写真1の1 
連邦議会議事堂の見える
ASPRオフィスにて
 写真1の2各国行政官との記念撮影      写真1の3
各国行政官らとBBQパーティーにて
 
【レポート2 総務省 井上あゆみ  】  
 平成30年11月より、ベルギー・ブリュッセルにある欧州委員会通信総局で、「EUにおけるプラットフォーム政策」をテーマに調査・研究をする機会をいただきました。アメリカや中国の巨大プラットフォームサービスの影響をどのように受け止め、利用者の利益に還元していけるのか。今日本でも論点となっているものに、EUでは積極的なルールメイクで対応しようとしており、法案が作られていく過程を目の当たりにするなど刺激の多い日々を送っています。
同僚たちは一人ひとりが多くの仕事を抱える一方で、家族のために早く帰ったり、同僚の誕生日やクリスマスをお祝いしたりと公私の切り替えが非常に上手。私も、ベルギービールの探求や美術館巡りなどオフにはヨーロッパの文化も楽しみながら、EUにもいいインプットが与えられるように、残りの時間を大事に過ごしていきたいと思います。このような経験に興味のある皆さん、ぜひ国家公務員の扉を叩いてみてください。

写真2の1
   欧州委員会事務局本部にて
                                写真2の2   
ヨーロッパのICTイベント会場
【レポート3 特許庁 常見 優

欧州連合における知的財産権の権利行使の取り組みについて調査研究するため、スペインに所在する欧州連合知的財産庁に半年間滞在する機会を頂きました。
欧州連合知的財産庁の職員と席を並べながら、調査研究テーマに取り組むだけでなく、欧州連合知的財産庁が取り組んでいる様々なプロジェクトにも参画し、彼らと一緒に議論し仕事をする中で、彼らのプロフェッショナル意識を強く持って高品質な成果を高効率性に遂行しようとする姿勢や、より高度な仕事をするためにもワークライフバランスを大切にする姿勢など、大いに刺激を受けました。また、上司部下の垣根や部署間の職員同士の垣根が非常に低く、コミュニケーションが活発な雰囲気や、国籍、言語、文化といった多様性を尊重するという欧州連合の理念を体感できたのも、非常に貴重な経験だったと感じています。
そして、私が滞在したことで、彼らにも日本の知財制度や特許庁の取り組みにも大いに関心を持ってもらうことができ、日欧間の垣根を低くすることにも貢献できたかなと思っています。

 写真3の1
 私のデスク
 写真3の2
欧州連合知的財産庁の外観
           写真3の3
欧州連合知的財産庁が所在するアリカンテ市の町並み
 

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