派 遣 研 修 (行政官長期在外研究員制度・行政官短期在外研究員制度)
 留学レポート紹介(行政官長期在外研究員制度)
 【レポート1 厚生労働省 平山祐暉】    


  2021年8月から約2年間、シカゴ大学ハリス公共政策大学院の修士課程に留学する機会をいただきました。データ分析に力を入れているという特徴のある大学院で、様々な政策分析手法を習得することができました。また、労働経済学や医療経済学といった所属省庁の所管する政策分野について最新の知見を得る良い機会となりました。OECDのインターンシップに参加し、各国の年金や介護について議論する機会を得ることもできました。
 生活面では、留学生比率が50%を超える環境で様々なバックグラウンドを持つ学生と交流を深めることができました。
 所属省庁の立場にとらわれず様々な事象を研究・分析する機会を得ることができ、行政官としての視野を広げることができたように感じます。国家公務員というキャリアを選択された暁には、このような機会を存分に生かしていただき、ともに政策を形成していく心強い仲間へと成長していただけること、心より期待しております。

シカゴの風景
シカゴの風景
 

冬のシカゴ大学

OECDにて
  【レポート2 経済産業省 佐藤幸博

 2021年の夏から2年間、英国に留学する機会を得ました。英国の大学院は多くのコースで修士課程を1年間で修了することができます。そのため、1年目はロンドン大学(UCL)において科学技術に基づいた政策立案について、2年目はケンブリッジ大学において産業システムについて、学びを深めました。私の場合、1年目でより広い分野を選択し、2年目でさらに狭い分野に応用していくことで、行政官としての専門性を高められるよう進学先を選択しました。
 どちらの大学院においても、著名な教授陣からの講義や研究指導、さらにはダイバーシティあふれる同級生から多くのことを学ぶことができました。英語でのディスカッションやライティングでは非常に高いレベルを求められ、苦労しましたが、振り返ると新たな視座を得るための良い機会でした。関係者の皆様には深く感謝申し上げるとともに、今後とも本制度を通じた行政官の政策立案能力の向上が図られていくことを祈っております。 
 
  
ロンドン大学(UCL)
    
ケンブリッジ大学
     

 
  【レポート3 文部科学省 福野達也

 2021年夏から約2年間、スイス・ジュネーブの国際連合欧州本部に隣接するジュネーブ国際・開発高等研究所に国際関係論(国際安全保障専攻)を学ぶべく、行政官長期在外研究員制度を通じて留学しました。学際的な専攻として、経済学からグローバルガバナンス、国際法など幅広い分野を履修し、世界中から集まった優秀な同級生と議論した日々はとても刺激的でした。
 国際機関本部も数多く学校近くに隣接しており、日本人を含む数多くの国際公務員との交流の日々は自身の仕事に対する視座を拡げる点でもこれまでにない好機でした。また、家族とも海外で新たな文化・体験に触れる、公私共にとても貴重な機会をいただいたと考えております。
 国家公務員の制度の一つとして、このように日本を離れ自己研鑽する機会があることの紹介の一助となれば幸いです。
 
  国際連合欧州本部     
ジュネーブ国際・開発高等研究所
     

 
  【レポート4 国土交通省 長谷川眞遊

 2021年より2年間、オランダのライデン大学ハーグ校にて学ばせていただく機会をいただき、サステイナビリティ分野の理学修士を取得しました。「環境」をコンセプトに、国際政治経済のルールメイクを先導するEUの思考背景について、公共政策的側面だけでなく、物理・化学・生物学的側面、また統計学的側面から多面的に学びを深める機会となりました。文系のバックグラウンドであった中、外国語でプログラミングや理系分野の学問習得に向けて切磋琢磨したこと、またアジア人がほとんどいない環境下において、日本人、またアジア人として、多様性のあるチーム内で自己が貢献できる付加価値は何であるのか深く考えさせられた時間は、何事にも代え難い非常に貴重な経験となりました。
 社会人になってから異国の地で自分の新たな可能性に挑戦できたこと、改めてこのような貴重な機会をいただけたことに感謝するとともに、国家公務員というキャリアを選択された多くの皆様が、本制度を通じて更なる経験を積まれ、活躍の場を広げられることを祈念しております。


大学の友人とともに
 
  
大学の友人とともに
    
2年間暮らしたハーグの街並み
     

 
  【レポート5 農林水産省 牧野桃子

 2021年夏から2年間、シンガポール国立大学に留学し、公共政策学を専攻する機会をいただきました。1年目は経済学や政治学をはじめとした幅広い学問分野を学び、2年目は個々の関心のある政策分野として農業、医療、交通等の政策について研究いたしました。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、1年目は対面授業に出席できる人数の制限や学生活動の実施に関する制限があり、学生間の交流において、歯痒い思いをすることもありましたが、2年目にはその影響が段々と落ち着いていき、多くの制限が緩和されたため、授業や学生活動において、同級生と共に様々な経験を積むことができました。
 今回の留学を通じて、日本と東南アジアの関わりの深さや今後の可能性の大きさを感じることができたので、留学で得た知識や経験をこれからの業務に生かしてまいりたいと思います。
 
  
大学校舎
    
フィールドトリップ
     

 
 留学レポート紹介(行政官短期在外研究員制度)
 
【レポート1 厚生労働省 北原加奈子 
 
 2018年7月より1年間、米国政府での調査研究の機会を頂きました。7月から11月はCDC(疾病管理予防センター)にて、11月からは保健福祉省ASPR(事前準備・対応次官補局)にて公衆衛生危機管理の実践について学ばせて頂いております。
米国は公衆衛生危機管理において世界をリードする位置づけにあり、その米国の政府内で業務の実際を見せて頂ける機会は、本制度だからこそ実現できたものです。単に米国政府の考え方や仕事の進め方、最先端の研究成果等を知るのみならず、日本政府からの派遣という立場から我が国の取組について尋ねられることも多く、改めて日本についても理解を深める機会となりました。また様々なご縁を頂き、米国や各国の行政官との絆が出来たことも得難い経験となりました。関係者の皆様に感謝申し上げますとともに、今後も本制度を通して多くの方が貴重な経験をされることを祈っております。
 


写真1の1 
連邦議会議事堂の見える
ASPRオフィスにて
 写真1の2各国行政官との記念撮影      写真1の3
各国行政官らとBBQパーティーにて
 
【レポート2 総務省 井上あゆみ  】  
 平成30年11月より、ベルギー・ブリュッセルにある欧州委員会通信総局で、「EUにおけるプラットフォーム政策」をテーマに調査・研究をする機会をいただきました。アメリカや中国の巨大プラットフォームサービスの影響をどのように受け止め、利用者の利益に還元していけるのか。今日本でも論点となっているものに、EUでは積極的なルールメイクで対応しようとしており、法案が作られていく過程を目の当たりにするなど刺激の多い日々を送っています。
同僚たちは一人ひとりが多くの仕事を抱える一方で、家族のために早く帰ったり、同僚の誕生日やクリスマスをお祝いしたりと公私の切り替えが非常に上手。私も、ベルギービールの探求や美術館巡りなどオフにはヨーロッパの文化も楽しみながら、EUにもいいインプットが与えられるように、残りの時間を大事に過ごしていきたいと思います。このような経験に興味のある皆さん、ぜひ国家公務員の扉を叩いてみてください。

写真2の1
   欧州委員会事務局本部にて
                                写真2の2   
ヨーロッパのICTイベント会場
【レポート3 特許庁 常見 優

欧州連合における知的財産権の権利行使の取り組みについて調査研究するため、スペインに所在する欧州連合知的財産庁に半年間滞在する機会を頂きました。
欧州連合知的財産庁の職員と席を並べながら、調査研究テーマに取り組むだけでなく、欧州連合知的財産庁が取り組んでいる様々なプロジェクトにも参画し、彼らと一緒に議論し仕事をする中で、彼らのプロフェッショナル意識を強く持って高品質な成果を高効率性に遂行しようとする姿勢や、より高度な仕事をするためにもワークライフバランスを大切にする姿勢など、大いに刺激を受けました。また、上司部下の垣根や部署間の職員同士の垣根が非常に低く、コミュニケーションが活発な雰囲気や、国籍、言語、文化といった多様性を尊重するという欧州連合の理念を体感できたのも、非常に貴重な経験だったと感じています。
そして、私が滞在したことで、彼らにも日本の知財制度や特許庁の取り組みにも大いに関心を持ってもらうことができ、日欧間の垣根を低くすることにも貢献できたかなと思っています。

 写真3の1
 私のデスク
 写真3の2
欧州連合知的財産庁の外観
           写真3の3
欧州連合知的財産庁が所在するアリカンテ市の町並み
 

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