派 遣 研 修 (行政官長期在外研究員制度・行政官短期在外研究員制度) |
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【レポート2 金融庁 峯川祐衣】
2022年8月から約2年間、人事院の長期在外研究員制度を利用して英国留学の機会をいただきました。英国大学院の多くは1年間で修了可能なため、派遣期間を通じ2つの大学院の修士号を取得しました。1年目は、ロンドン大学(KCL)のLLMコースにて金融関係法、2年目はケンブリッジ大学のビジネススクールにおいて金融学を学びました。世界各国から集まった優秀な仲間とディスカッション等を繰り広げながら、法律とファイナンス実務の観点から金融にアプローチすることができ、金融行政官としての専門性を磨く貴重な経験となりました。また、多様な学生と交流を深める中で、様々な国や文化への理解が深まったと同時に、日本の代表として自国について話す中で改めて日本への理解を深めるきっかけにもなりました。社会人になってから異国の地で自分の可能性に挑戦できたこと、新たな価値観や文化に深く触れる機会をいただけたことは、何事にも代えがたい人生の財産です。今後国家公務員の道を選択された皆様が、本制度を通じ自らの可能性を広げられることを祈念しております。 |

ロンドン大学(KCL)卒業式 |
ケンブリッジの美しい街並み |
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ケンブリッジのクラスメイトとBBQ |
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【レポート3 公正取引委員会 堀夏子】
2022年夏から2年間パリ第二大学に留学し、欧州競争法及びフランス商法典第4編(競争法)を中心とする在外研究を行う機会をいただきました。特に、デジタル市場における市場支配的地位の濫用、経済従属的地位の濫用、著しい不均衡規制の適用についての法執行事例や、競争法分野において商事裁判所が果たす役割について研究を行いました。
これらの研究の一環として、競争法執行を担う独立行政機関であるフランス競争委員会や、競争法実務を担う弁護士、国内外の研究者からのヒアリングを行い、多様な関係者と交流でする機会を得たことは、今後公正取引委員会で実務を行う上で大きな収穫となりました。
また、生活面においては、パリ五輪直前まで滞在したため、現地の準備状況や市民の高揚感を肌で感じることができ、貴重な経験となりました。 今回の在外研究で得た専門知識や経験を基に、日本の競争当局の一員として、より良い競争政策に貢献していきたいと思います。 |
大学院修了式における帽子トス ※写真の一部にぼかし加工を行っております |
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講義の一部が行われた校舎の外観 |
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【レポート4 文部科学省 藤田あかね】
2022年の夏から2年間、ドイツ・テューリンゲン州の州都にあるエアフルト大学ウィリーブラントスクール公共政策大学院にて公共政策学を学びました。長期在外研究員制度を活用したからこそ目的意識を明確に持ち勉学に励むことができたと感じており、実践的な政策分析手法や語学の獲得はもちろんのこと、移民の統合に課題を抱えているドイツにおいて、職務で関わって以降関心を持っていた移民に対する教育政策の効果について、論文執筆を通じて分析できたことは、将来にもつながる私の大切な財産となっています。
夏季休暇中には、フランスのパリにあるUNESCOの「移民・難民・危機管理に対する教育」部局にてインターンを行いましたが、国際機関において日本が果たす役割を改めて考えることができましたし、日本人であり役人である自分がどのように組織に貢献できるのかを意識して働く意義深い時間も得ました。また、世界40か国から集まった50名のクラスメイトとの交流は、自分の「当たり前」を外から捉えなおし、視野を広げるという観点でとても有益で、留学したからこそできた経験だったように思います。
国家公務員という道を選ばれた皆様が、今後も長期在外研究員制度を通じて自己研鑽に励まれますように、心より応援しております! |

エアフルトの街並み |
インターンを行ったユネスコ本部 |
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クラスメイトと学内で |
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【レポート5 国土交通省 濱田佳大】
2022年夏からの2年間、シンガポール国立大学(NUS)に留学する機会を得ました。ダブルディグリープログラムの一環として、1年目は公共政策学を専攻し、経済学や統計学といった基礎分野に加え、交通、貿易、水政策など、関心のある分野について学びました。2年目には経営管理学(MBA)において、ファイナンスや会計に加え、アントレプレナーシップやスタートアップ企業へのコンサルティングプロジェクトなど、実践的な学びの機会も得ることができました。NUSでの経験を通じて、アジアの事例や友人を介して、様々な国の制度や文化の特徴や違いについて多くを知ることができました。また、夏休みには国連ESCAPの宇宙利用セクターでインターンを行い、国連の役割や活動について理解を深める貴重な機会を得ました。
グループ活動では英語の壁に苦労する場面もありましたが、外の視点から日本について考える機会が増え、様々な経験を積むことができました。さらに、海外の公務員を含め、世界中に幅広いネットワークを築けたと感じています。
このような留学機会があることを、これから国家公務員を目指す皆様にお伝えできれば幸いです。 |
シンガポールのコンテナターミナルへのサイトビジット |
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国連ESCAP |
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【レポート1 厚生労働省 北原加奈子 】
2018年7月より1年間、米国政府での調査研究の機会を頂きました。7月から11月はCDC(疾病管理予防センター)にて、11月からは保健福祉省ASPR(事前準備・対応次官補局)にて公衆衛生危機管理の実践について学ばせて頂いております。
米国は公衆衛生危機管理において世界をリードする位置づけにあり、その米国の政府内で業務の実際を見せて頂ける機会は、本制度だからこそ実現できたものです。単に米国政府の考え方や仕事の進め方、最先端の研究成果等を知るのみならず、日本政府からの派遣という立場から我が国の取組について尋ねられることも多く、改めて日本についても理解を深める機会となりました。また様々なご縁を頂き、米国や各国の行政官との絆が出来たことも得難い経験となりました。関係者の皆様に感謝申し上げますとともに、今後も本制度を通して多くの方が貴重な経験をされることを祈っております。 |
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連邦議会議事堂の見える
ASPRオフィスにて |
各国行政官との記念撮影 |
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各国行政官らとBBQパーティーにて |
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【レポート2 総務省 井上あゆみ 】 |
平成30年11月より、ベルギー・ブリュッセルにある欧州委員会通信総局で、「EUにおけるプラットフォーム政策」をテーマに調査・研究をする機会をいただきました。アメリカや中国の巨大プラットフォームサービスの影響をどのように受け止め、利用者の利益に還元していけるのか。今日本でも論点となっているものに、EUでは積極的なルールメイクで対応しようとしており、法案が作られていく過程を目の当たりにするなど刺激の多い日々を送っています。
同僚たちは一人ひとりが多くの仕事を抱える一方で、家族のために早く帰ったり、同僚の誕生日やクリスマスをお祝いしたりと公私の切り替えが非常に上手。私も、ベルギービールの探求や美術館巡りなどオフにはヨーロッパの文化も楽しみながら、EUにもいいインプットが与えられるように、残りの時間を大事に過ごしていきたいと思います。このような経験に興味のある皆さん、ぜひ国家公務員の扉を叩いてみてください。 |
欧州委員会事務局本部にて
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ヨーロッパのICTイベント会場
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【レポート3 特許庁 常見 優 】
欧州連合における知的財産権の権利行使の取り組みについて調査研究するため、スペインに所在する欧州連合知的財産庁に半年間滞在する機会を頂きました。
欧州連合知的財産庁の職員と席を並べながら、調査研究テーマに取り組むだけでなく、欧州連合知的財産庁が取り組んでいる様々なプロジェクトにも参画し、彼らと一緒に議論し仕事をする中で、彼らのプロフェッショナル意識を強く持って高品質な成果を高効率性に遂行しようとする姿勢や、より高度な仕事をするためにもワークライフバランスを大切にする姿勢など、大いに刺激を受けました。また、上司部下の垣根や部署間の職員同士の垣根が非常に低く、コミュニケーションが活発な雰囲気や、国籍、言語、文化といった多様性を尊重するという欧州連合の理念を体感できたのも、非常に貴重な経験だったと感じています。
そして、私が滞在したことで、彼らにも日本の知財制度や特許庁の取り組みにも大いに関心を持ってもらうことができ、日欧間の垣根を低くすることにも貢献できたかなと思っています。
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私のデスク
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欧州連合知的財産庁の外観
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欧州連合知的財産庁が所在するアリカンテ市の町並み
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