第35回(令和4年) 人事院総裁賞「職域部門」受賞 |
デジタル庁 国民向けサービスグループ VRSチーム |
国・地方・民間など様々な出身のメンバーが一丸となって「ワクチン接種記録システム(VRS)」を開発・運用し、接種記録をリアルタイムに把握可能とするなど、円滑なワクチン接種に大きく貢献。また「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」により、誰でも簡単に証明書の電子申請等が可能となるなど、行政サービスの利便性向上に大きく貢献したことが認められました。 |
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☆はじめに、VRSチームでは、どのような業務を行っているのでしょうか。 |
ワクチン接種記録システム(VRS: Vaccination Record System)と新型コロナワクチン接種証明書アプリの開発・運用を行っています。 |
☆VRSの開発・運用では、国・地方・民間と、様々に出身の異なるメンバーでチームが構成されていますが、業務に取り組む中で特に留意された点や開発等に当たりそのような体制が活かされた点をお聞かせください。 |
利用しやすいサービスを提供するためには、利用者視点でサービスを開発することが欠かせません。VRSチームでは、ワクチンの接種主体である市区町村の現場の声を丁寧に受け止めながら、民間出身者によるサービスの提供やデザインの専門知識を活かした上で、施策の企画立案やサービス改善を国として推し進めました。国・地方・民間のメンバーが、役職や立場を超えてフラットに意見を言い合えるチームワークを醸成することで、利用者視点の「優しいサービス」を提供することができています。このような姿勢は、接種証明書アプリの開発・運用においても引き継がれており、アプリ利用者の声を受け止めながら、リリース後も随時アップデートを行い改善を続けているところです。 |
☆VRSと接種証明書アプリの双方ともに、短期間で開発が行われたということですが、特に印象に残った出来事は、どのようなことでしょうか 短期間で物事を推し進める上では、迅速な意思決定が鍵となります。VRSの開発時は、小林内閣府大臣補佐官(当時)以下のメンバーほぼ全員が参加した定例会を毎日開催していました。多様なメンバーが本当にフラットに意見を出し合いながら、その場で意思決定を行うことで、利用者視点の意見を取り入れながらも迅速な意思決定を実現していました。これは極めて異例の体制であり、デジタル庁のバリューである「あらゆる立場を超えて」をまさに体現する場でした。また、短期間で物事を推し進める上では、全ての要望や課題を期限内に解決することがどうしても難しいところが出てきます。そのようなときに、できるところから提供を開始してその後の機能追加により対応することとし、利用者にもそれを受け入れていただけたことで、結果的に、迅速なサービス提供と継続的なサービス改善が可能となりました。 |
☆今後の業務への抱負をお聞かせください。 VRSや接種証明書アプリでは、提供開始後も短いサイクルで継続的に改修を行うなど、サービスの改善に日々努めています。特に、接種証明書アプリでは、国民の皆様の利用状況やお問合せ内容を受け止め、より使いやすいサービスとなるよう取り組んでいます。今後もユーザーインターフェイスやアクセシビリティなどの改善によりユーザー体験を向上させて、デジタル庁のバリューのとおり「一人ひとりのために、常に目的を問い、あらゆる立場を超えて、成果への挑戦を続けます」。 |
☆最後に、国民の皆様へメッセージをお願いします。 |
全国どこに住んでいる方でも同じスマートフォンアプリでお住まいの市区町村が発行する公的な証明書を取得できることや、スマートフォンを持っていなくてもお近くのコンビニで証明書を取得できること、リアルタイムな統計情報というエビデンスに基づき適切な施策を行政が実施すること、時間を掛けて初めから完成したものを提供するのではなく、迅速にサービス提供を開始して開始後も継続的に改善を続けていくこと、これらは行政サービスの新たな形の一つです。その実現においては、多様なバックグラウンドを持ったメンバーが日々協働しています。今後も職員一丸となって業務に取り組んでまいりますので、デジタル庁の活動を応援いただけますと幸いです。 |
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▲VRS/接種証明書アプリの成果 |