第37回(令和6年) 人事院総裁賞「職域部門」受賞 |
環境省 関東地方環境事務所 |
野生絶滅したトキについて、佐渡島内において推定個体数が500羽を超えるなど安定的に生息する状況を実現。地域の理解促進、生息環境の整備、科学的知見に基づく繁殖・放鳥等について、継続して丁寧な調整、対応に努め、日本の自然環境保全に大きく貢献したことが認められました。 |
![]() |
☆はじめに、佐渡自然保護官事務所はどのような業務を行っているのでしょうか。 |
環境省は、野生生物の種の保存を任務の1つとしており、佐渡自然保護官事務所では、野生絶滅したトキを再び日本の野生に戻すという事業に取り組んできました。トキを飼育施設で繁殖させ、平成20年から毎年佐渡島で放鳥しており、今では佐渡島に野生のトキが推定500羽以上生息しています。 |
☆トキと共生するための環境づくりを実現するために工夫された点や苦労された点があれば教えてください。 |
トキには、水田を荒らすということで害獣として駆除された歴史があるため、トキの放鳥を開始した頃は、地域の方々から水田への被害に対する懸念が出ていたと聞いています。当時の担当職員は、地域の方々にトキの野生復帰に向けた取組を理解していただくために、島中を回って地域住民の皆様と膝を突き合わせて話をしていたそうです。このような地道な取組を長年積み重ねた結果、今では地域の方々から自分たちの水田で放鳥してほしいとの要望を頂くまでになりました。 |
☆業務を通じて喜びややりがいを感じられるのは、どのようなことでしょうか。 野外でトキの姿を見るたびに、事業の成果を実感します。特に春になって巣の中に雛を見つけたときはとても嬉しく、成長を楽しみにしながら毎日観察しています。 |
☆最後に、国民の皆様へメッセージをお願いします。 |
環境省は、令和8年度上半期中を目処に、本州で初めて、石川県能登地域にてトキの放鳥を行い、野生復帰事業を展開していくことを決定しました。将来的には全国各地の空をトキが舞う日が来ることを目指しています。 |
![]() |
▲飼育しているトキを確認する様子 |
![]() |
▲トキ放鳥の様子 |