第37回(令和6年) 人事院総裁賞「職域部門」受賞

農林水産省
#食べるぜニッポン プロジェクトチーム

 

  ALPS処理水の放出に伴う海外からの輸入停止等により、深刻な影響を受けた水産業支援のため、部局横断の広報プロジェクトを短期間で立ち上げ。誰でも参加しやすいSNS広報を展開し、ホタテ等の水産物消費の呼びかけが参加者の善意によって全国に拡散されるという広報のモデルケース構築に成功したことが認められました。

 
 
 

はじめに、プロジェクトチーム立ち上げの経緯をお聞かせください。

ALPS処理水(注1)の海洋放出がきっかけで、深刻な影響を受ける漁業関係者を応援するため、消費拡大を促す取組に協力してほしいと水産庁から相談を受けました。国内外の情勢の激しい変化に対応していくためにはSNSで拡散させる必要があるということになり、広報室内の若手職員を中心としたメンバー10人ほどで意見を出し合い、「#食べるぜニッポン」というハッシュタグを考案、翌日にはロゴを作成し、SNSでの投稿を行いました。

(注1)ALPS処理水:多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System)等により、トリチウム以外の放射性物質について安全に関する規制基準値を確実に下回るまで浄化した水のこと。
 

 

本取組の実現に際しては、多くの企業や行政機関等と連携されたそうですが、特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

民間企業では、コンビニエンスストアや回転寿司チェーン、鉄道駅構内の店舗、ECサイト(インターネット上で商品・サービスを販売するウェブサイト)等、様々な企業の皆様が、自発的にそれぞれの事業の中に取り込んでいただいたことが、この取組が広がっていくことにつながったと感じています。
 また、各省庁にもそれぞれのSNSで投稿いただいたり、首相官邸アカウントから総理がホタテを試食する動画を投稿いただいたりと、霞が関全体でこの取組を盛り上げていただけたことには本当に感謝しています。
 そのほか、大使自身がホタテが好きということで、英国大使館とも農林水産省のYouTubeチャンネル「BUZZ MAFF」でコラボすることができ、おいしいものは言葉の壁を越えて人と人とをつなげてくれるということを実感しました。

 

本取組のX投稿は、貴省のこれまでの投稿の中で最も閲覧数等が多かった(注2)など、大きな反響を呼んだ取組でしたが、何か工夫した点があれば教えてください。

SNSで親しまれているデザインを参考にロゴを作成したことや、ロゴのイラストやポスターを誰でも自由にダウンロードして使用できるようにSNSやウェブサイトに掲載したことが、国民の皆様に受け入れられ、拡散していただいた一因ではないかと考えています。
 また、私たちの情報発信は届かないと意味がないので、「自分たちは何を伝えたいか」と同時に、「国民の皆様はどう思うか」ということも常に意識しています。
 私たちのチームは若手職員が中心で、一人一人が自分の企画をチームに提案し、撮影・投稿まで行っていますが、何でもチャレンジできる雰囲気があり、周りと競い合える環境であることも、良い影響を与えているように思います。


(注2)令和七年二月時点で、二千万回超のインプレッション(画面表示回数)、約三万六千リポスト、約五万七千いいねを達成。

 

業務を通じてやりがいを感じられるのは、どのようなことでしょうか。

1つは、国民の皆様とのつながりやリアクションがあることです。例えば、国産水産物を使ったレシピをSNSに投稿した際に、明日作ってみようといった感想を頂けたときは、とても嬉しかったです。また、このような積み重ねが、農林水産業を支えることにつながっていくのだと実感しており、そういった意味でもやりがいを感じることができています。
 もう1つは、今回の取組を通じて、組織に貢献しているという実感を得られたことです。広報は効果が見えづらいということが、担当者として常に抱えている悩みですが、政策担当者と連携して取組を進めてきた結果、水産物消費額の増加という実際の数字として成果を残すことができました。これはどちらか一方の担当だけでは成し得なかったことだと考えており、広報担当として組織の一員としての役割を全うできたのだと非常にやりがいを感じることができました。

 

☆最後に、国民の皆様へメッセージをお願いします。

国民の皆様の御協力がなければ、立ち上げから現在に至るまで本取組を続けることはできませんでした。まずは本取組に御協力を頂けましたことに、心より感謝を申し上げます。
 今後も農林水産業の発展のため、政策の発信を行ってまいりますが、国民の皆様が知りたい情報、私たちが知っていただきたい情報を届けられるように、そして少しでも多くの方に農林水産省のファンになっていただけるように、特にSNSでは柔らかい発信を心掛けていきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

 
▲本取組のX投稿
 
▲SNS会議をする様子
 

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