(1)評価能力向上研修
公正な人事評価は、管理者の重要な任務である。そのため各府省において評価者となる管理者に、評価や面談に関する実践的な知識及び技法を習得させることを目的として、平成20年10月から評価能力向上研修を実施している。その内容は、事例研究を含む講義形式で行う「応用編」と、模擬面談等を体験させる「ロールプレイ編」の2種類があり、人事院は各府省人事担当者等を対象に指導者養成コースとして実施し、それら指導者が各府省の部内の評価者を対象とする本研修の講師を務めるという方式を基本としている。
このほかに、要請に応じて、各府省が実施する部内の評価者研修に人事院職員を講師として派遣する形での支援も行っており、平成25年度には、7機関、延べ220人の各府省職員がこの方式による研修を受講した。
(2)パーソネル・マネジメント・セミナー
人事評価の評価者を対象に、部下の能力向上に取り組む際に管理者として留意すべきポイント等を確認し、また、参加者同士の経験の共有や意見交換を通じて相互に啓発し合う機会を提供することにより、人事評価結果の人材育成への活用に向けた各府省の取組を支援・促進することを目的として、平成22年度からパーソネル・マネジメント・セミナーを「コミュニケーション」及び「部下の育成・活用(部下への指示・指導の在り方)」の科目により実施している。
平成25年度の実施状況は、表2-11のとおりであり、新たに「職業倫理意識の向上」及び「部下の育成・活用(部下のチームワークや業務遂行の改善)」の2科目を開発し、より多様な科目の組合せを可能にしたところである。
(3)実務経験採用者研修
近年、公務において民間の人材を積極的に採用している。そのため人事院では、実務経験を持った民間企業からの中途採用者等を対象に、民間労働者とは異なる「国民全体の奉仕者」としての公務員に求められる服務規律に関する知識や公務員としての倫理観の徹底等を目的とした実務経験採用者研修を平成14年度から実施している。
平成25年度は、3回実施し、20府省等の157人が受講した。
(4)女性職員研修
男女共同参画社会の実現に向け、公務における女性職員の登用拡大を促進するため、各府省合同の研修を通じた相互啓発等による能力伸長と人的ネットワークの形成の促進を目的として、平成13年度から女性職員研修を実施している。
平成25年度の実施状況は、表2-12のとおりであり、ロールモデルとして先輩女性職員を講師に招く、男性職員を加えて討議する科目を設ける、研修の成果を職場に持ち帰って半年後に再び報告会を行うなど、引き続き研修効果を高めるための多様な工夫をしている。
(5)メンター養成研修
各府省のメンター・プログラム導入への支援の一環として、メンター(自分の経験を基に後輩職員の相談に乗り、助言する先輩職員)となることが予定されている職員を対象に、職場におけるメンター、メンタリングに関する基本的な知識とコミュニケーション・スキルを習得させることを目的として、平成18年度からメンター養成研修を実施している。
平成25年度における本研修の実施状況は、表2-13のとおりである。