第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動き

第3章 多様な人材の確保・育成等

1 人材の確保

(1)効果的な人材確保策の展開

平成30年度の人材確保活動及び啓発活動においては、民間企業における採用選考活動等を注視しつつ、行政の担い手に求められる人材ニーズと結び付けながら各府省と連携した人材確保策を展開した。

具体的には、公務研究セミナー、国家公務員試験ガイダンスなどの業務説明の場において、従来から行ってきた各府省における働き方改革の取組や職業生活への多様な支援等に関する情報提供に加え、国家公務員が社会への貢献とやりがいを感じられる仕事であるという魅力をアピールした。また、こうした魅力が学生に共感されるよう、政策の企画立案から執行までの実務に即して分かりやすく伝えることのできる魅力的な職員の派遣を各府省に依頼するなど、人材確保活動の充実を図った。さらに、進路選択への影響が大きい大学関係者等との意見交換や大学懇談会等の場において、これらの取組をアピールするとともに、特に人材確保が厳しくなっている技術系や地方の大学等の人材について、民間企業などを含めた就職動向や就業意識等を把握した。

これらの施策の展開に当たっては、ポスター、パンフレットなどの紙媒体とホームページ、メールマガジン、フェイスブックなどの電子媒体を効果的に組み合わせ、双方の強みをいかした情報発信を行った。

(2)経験者採用試験の充実

経験者採用試験は、民間企業等における有為な勤務経験を有する者を係長級以上の職へ採用することを目的として平成24年度から実施している中途採用試験であり、公務組織における年齢別人員構成の偏りへの対処に資する方策としても有用であると考えられる。平成30年度は、新設の総務省経験者採用試験(係長級(技術))を加えた8種類の経験者採用試験を実施し、2,921人が受験を申し込み(前年度2,636人)、353人が最終合格した(同342人)。特に、前年度の採用予定数が最も多かった国税庁経験者採用試験(国税調査官級)において、引き続き採用予定数が200人規模となったこともあり、申込者数は1,287人(同1,328人)、最終合格者数は249人(同250人)となった。

人事院としては、今後とも、各府省と協力して効果的な人材確保策を展開していくとともに、経験者採用試験を活用した民間人材等の着実な採用を各府省に促していくこととする。

○平成30年度に実施された経験者採用試験

  • ・経験者採用試験係長級(事務)
  • ・総務省経験者採用試験(係長級(技術))※平成30年度新設
  • ・外務省経験者採用試験(書記官級)
  • ・国税庁経験者採用試験(国税調査官級)
  • ・農林水産省経験者採用試験(係長級(技術))
  • ・国土交通省経験者採用試験(係長級(技術))
    ※本省区分及び地方整備局・北海道開発局区分の2区分で実施
  • ・観光庁経験者採用試験(係長級(事務))
  • ・気象庁経験者採用試験(係長級(技術))

○経験者採用試験実施状況

(単位:人)

平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度
申込者数 1,206 1,492 2,009 1,446 2,401 2,636 2,921
最終合格者数 8 38 138 117 297 342 353
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