国家公務員の公平審査制度

公平審査制度

「懲戒処分を受けたが納得できない」、「給与の決定に不満がある」、「勤務条件に不満がある」など、このような不満や悩みがある職員(一般職国家公務員)は、人事院に不服を申し立てたり、相談したりすることができます。

人事院は、申立てや相談を受けると、公正中立な立場から、事情聴取や調査を行い、所属機関等と職員との間に生じた処分や勤務条件などに関する苦情や紛争の解決に努めます。

このページでは、苦情や紛争を解決するための仕組みである「公平審査制度」と「相談制度」を紹介するとともに、実際に不服を申し立てる場合に生じる疑問にもお答えします。

公平審査制度と相談制度

公平審査制度には、懲戒処分、分限処分など不利益処分についての審査請求、勤務条件に関する行政措置の要求、災害補償の実施に関する審査の申立て等及び給与の決定に関する審査の申立ての仕組みがあり、それぞれ職員から人事院に対してなされた場合に、準司法的な所定の審査手続に従って、迅速かつ適切に事案の処理を行っています。

このほか、人事院においては、職員からの勤務条件や勤務環境等に関する相談を受け付け、各府省に対する働きかけを含め必要な対応を行っています。

不服・苦情内容に対応する公平審査制度・相談制度

不服・苦情の内容に応じて、以下の公平審査制度及び相談制度が設けられています。

どのような不服・苦情内容か(代表的な例) 対応する制度
  • 懲戒処分(免職、停職、減給、戒告)を受けたが、不服がある。
  • 分限処分(免職、休職、降任、降給)を受けたが、不服がある。
  • 辞職を強要され、辞職せざるを得なかった。
不利益処分審査請求 公平審査制度
  • セクシュアル・ハラスメントを改善してほしい。
  • 管理職員特別勤務手当、超過勤務手当等の未払い分を支給してほしい。
  • 健康状態に配慮し、適切な勤務環境を整えてほしい。
行政措置要求
  • 所属機関では認められなかった勤務時間中に受けた災害を公務上の災害と認定してほしい。
  • 公務災害と認定されたが、障害等級の決定に不服がある。
  • 休業援護金の支給額及びその期間に不服がある。
災害補償審査申立て等
  • 人事評価結果に基づく昇給区分の決定に不服がある。
  • 勤勉手当の成績率の決定に不服がある。
  • 単身赴任手当や扶養手当の認定に不服がある。
給与決定審査申立て
  • 職場における様々な問題(勤務条件、パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントなど)について相談したい。
相談制度
オンラインによる不服の申立て・電子メールによる相談

公平審査制度における不服の申立て(不利益処分審査請求、行政措置要求、災害補償審査申立て等及び給与決定審査申立て)については、オンラインで行うこともできます。また、相談制度における相談については、電子メールで行うこともできます。

オンラインによる不服の申立てを希望される方は、こちらをご覧ください。
電子メールによる相談を希望される方は、こちらをご覧ください。

公平審査制度と相談制度のQ&A

 

Q1:不服を申し立てるには、どうすればよいですか?手続などが複雑で、特別な知識がないとできないのですか?

:まずは、不服の申立書を提出していただくことになります。以下の各手引に申立書の様式例を掲載しておりますので、ご活用ください。申立書の提出後は、適宜、担当者から必要な手続についてご案内いたしますので、ご安心ください。おおまかな手続の流れは以下の各手引をご覧ください。

不利益処分についての審査請求の手引不利益処分についての審査請求の手引

勤務条件に関する行政措置要求の手引勤務条件に関する行政措置要求の手引

災害補償審査申立て・福祉事業措置申立ての手引災害補償審査・福祉事業措置申立ての手引

給与の決定に関する審査の申立ての手引給与の決定に関する審査の申立ての手引

 

Q2:不服の申立てができるのは、誰ですか?

 A:一般職の国家公務員として勤務している(していた)職員の方が対象となります。
 国家公務員のうち、防衛省の職員等特別職の国家公務員は対象となりません。また、公平審査制度の種類により、更に対象が限定されている場合があります。詳しくは、以下の各制度のページをご覧ください。
 
 ・不利益処分審査請求 (jinji.go.jp)
 ・行政措置要求 (jinji.go.jp)
 ・災害補償審査申立て等 (jinji.go.jp)
 ・給与決定審査申立て (jinji.go.jp)

Q3:家族や友人、職員団体、弁護士などを通じて不服を申し立てることはできますか?

:公平審査制度の種類によって異なります。不利益処分審査請求、災害補償審査申立て等及び給与決定審査申立てについては、代理人によって行うことも可能です。代理人となるに当たり特別の資格などを保有している必要はありません。

行政措置要求については、代理人によって行うことはできませんが、職員団体を通じて行うことができ、その場合には職員団体の代表者が申立て(要求)を行うことになります。

Q4:不服の申立てができるのは、いつまでですか?

:不利益処分審査請求については、処分説明書を受け取った場合には受け取った日の翌日から起算して3月以内、処分説明書が交付されなかった場合には処分の日の翌日から起算して1年以内に申立書(審査請求書)を人事院に提出しなければなりません。
 不利益処分審査請求以外については期限の定めはありませんが、あまり時間が経つと調査が困難になりますので、できるだけ早めに申し立ててください。
 また、補償を受ける権利は、一定期間行使しないときは、時効によって消滅しますので、災害補償審査申立て等をお考えの場合には、ご注意ください。

Q5:不服の申立てがなされた場合、人事院の調査はどのように行われますか?

:まず、不服の申立てについて、申立期間、記載事項などの要件を満たしているかを人事院が審査し、満たしている場合には申立てを受理して調査や審理を開始し、満たしていない場合には申立てを却下します。
 申立てを受理した場合、行政措置要求、災害補償審査申立て等及び給与決定審査申立てにおいては、人事院職員が申立人や申立人の所属機関、関係者などから事情を聴取したり、資料を収集したりして調査を行います。
 不利益処分審査請求の場合には、通常、3名の人事院職員により構成される公平委員会が審理に当たります。その場合、申立人は、口頭審理(申立人と処分者を同席させ、双方に主張や立証を自主的に行わせることによって審理を進めていく審理方式)か、審尋審理(申立人と処分者を同席させず、公平委員会がそれぞれの当事者から個別に事情を聴取し、証人尋問においても原則として当事者を立ち会わせることなく審理を進めていく審理方式)のいずれかを選ぶことができます。なお、口頭審理を選択した場合、申立人は、処分者が立てる証人に対しても直接質問することができます。

Q6:不服の申立てが受理された場合、申立人はどのような作業が求められますか?

:申立人には、人事院職員又は公平委員会からの調査や審理日程などに関する照会に適切に対応したり、定められた期日までに自らの主張を記した文書を提出したり、調査や審理に出席して自らが把握している事実関係を述べたりするなど、調査や審理のスムーズな進行への協力が求められます。

Q7:不服の申立てには費用はかかりますか?また、勤務時間中に行うことができますか?

:申立人が問合せをしたり、書面を郵送したりするときの通信費、調査や審理のために調査会場や審理会場に赴くときの交通費などは負担していただきますが、それ以外の費用の負担はありません。なお、申立人に対する調査や審理の場所は、申立人の希望などに配慮して決定します。
 また、勤務時間中に、申立書等の書類の作成、不服の申立てに関する相談や申立書提出等のための人事院への訪問を行うことは認められていませんので、勤務時間中に行う場合には年次休暇を取得する必要があります。不服の申立てが受理された後、人事院から事情聴取等を受ける場合や申立人が審理に出席する場合には、その時間については職務専念義務が免除されますので、年次休暇を取得する必要はありません。

Q8:自分が人事院に不服を申し立てていることは、職場に知られることになるのでしょうか?また、不服を申し立てたことによって、自分の個人情報が職場に知られたり、職場で不利益な扱いを受けたりすることはありませんか?

:不服の申立書が提出されてから受理又は却下の判断を行うまでの間は、人事院が、申立ての事実について所属機関等に伝えることは、原則としてありません。ですから、申立てが却下され、調査や審理が開始されなかった場合には申立人が申立てを行ったということを知られることは、原則としてありません。

また、申立てが受理された後は、人事院は、誰がどのような内容について不服を申し立てているかを申立人の所属機関等に伝えて調査を行いますが、調査や審理を通じて所属機関等が知った申立人の個人情報が第三者に漏れることはありません。また、不服の申立てによって、申立人が不利益な取扱いを受けることのないように配慮します。

Q9:人事院が発出した判定や決定には、どのような効果がありますか?

:不利益処分審査請求、災害補償審査申立て等及び給与決定審査申立てについては、申立人の申立てを全部若しくは一部認める旨又は棄却する旨の人事院の判定や決定に、所属機関等は従うことになります。
 例えば、懲戒減給処分を取り消す旨の判定があった場合は、処分は取り消され、また、減給されていた給与はさかのぼって追給されます。
 行政措置要求については、申立人の要求を認める場合には、人事院の権限に属する事項については自ら実行し、その他の事項については、関係機関に実行を求めます。

Q10:不服を申し立ててから、どれぐらいの期間で人事院は結論を出すのですか?

:不服の申立書の内容によりますが、1~2か月程度で受理又は却下の判断を行うよう努めています。受理又は却下の判断に当たって記載内容に不備がある場合や添付書類の不足がある場合などには、より長い期間が必要となる場合があります。
 また、結論については、事案の内容によりますが、1年程度で出すよう努めています。調査する争点や関係者が多い場合、長期間が経過した事案の場合等は、より長い期間が必要となります。

Q11:不服の申立てが認められた件数はどのくらいですか?

年次報告書で事案の受付件数、判定や決定の結論別の処理件数等を公表しているほか、判定例や決定例を紹介していますので、ご参照ください。

Q12:勤務条件や勤務環境等に関する相談をしたいのですが、どのように行えばよいですか?

:相談は、面談、電話、手紙、電子メールのうち、申出人の都合の良い方法でできます。詳細は、勤務条件や勤務環境等に関する相談のページをご覧ください。原則として、現職の職員本人からの自分自身の勤務条件や勤務環境等に関する相談を対象としていますが、既に離職した職員についても、離職又は再任用に関する相談を受け付けています。
 なお、人事院は、相談内容や申出人について秘密を厳守し、当局へ相談内容を伝えるときも申出人の了解をとります。また、相談を行ったことにより当該職員に対して職場において不利益又は不当な取扱いをすることは人事院規則により禁止されています。

公平審査制度に関連する法律・人事院規則

(参考)国家公務員関係法令等一覧

担当窓口

さらに詳しく、人事院が行っている公平審査制度や相談制度について知りたい方は、下記の担当部署にお問い合わせください。

本院

人事院事務総局公平審査局

〒100-8913 東京都千代田区霞が関1-2-3

03-3581-5311(代表)

  • 公平審査制度全般 調整課 内線2705
  • 勤務条件や勤務環境等に関する相談 職員相談課
    直通 03-3581-3486
    (相談受付時間(平日)9:00~17:00)(原則30分以内)

地方事務局(所)

人事院北海道事務局第一課

〒060-0042 札幌市中央区大通西12丁目 札幌第3合同庁舎

011-241-1249

人事院東北事務局第一課

〒980-0014 仙台市青葉区本町3-2-23 仙台第2合同庁舎

022-221-2002

人事院関東事務局第一課

〒330-9712 さいたま市中央区新都心1-1 さいたま新都心合同庁舎1号館

048-740-2005

人事院中部事務局第一課

〒460-0001 名古屋市中区三の丸2-5-1 名古屋合同庁舎第2号館

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人事院近畿事務局第一課

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人事院中国事務局第一課

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人事院四国事務局第一課

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人事院九州事務局第一課

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人事院沖縄事務所調査課

〒900-0022 那覇市樋川1-15-15 那覇第一地方合同庁舎西棟

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