第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動き

第1章 人材の確保及び育成

1 志望者拡大に向けた取組

国家公務員採用試験の申込者数は減少傾向が続いており、2021年度総合職試験の申込者数について見ると、前年度に比べ12.6%減少するなど、公務において高い能力と意欲を持った人材を確保していく上で、非常に厳しい状況となっている。

令和3年度においては、これまで顕在化していた若者の進路選択の早期化や就業意識の多様化に加え、前年度から続く新型コロナウイルス感染症の影響により、大学の講義や民間企業等における採用選考活動等のオンライン実施が常態化するなど、人材確保をめぐる状況も大きく変化した。

このような状況下において、人事院としては、学生等へのアピールの機会を可能な限り確保し、国家公務員採用試験の申込者数を増加させるため、各種イベントの更なるオンライン対応を進め、各府省や大学等とも連携しながら人材確保活動を積極的に展開するとともに、公務を志望しなかった学生を対象とする調査・分析を実施した。本年度新たに行った主な取組は以下のとおり。

  •  ①公務志望者の裾野拡大に向けた取組を強化するためには、公務が忌避される理由を定量的に把握することが必要であることから、国家公務員を志望しなかった学生も対象とした調査を初めて実施した(詳細については、第1編第2部「人材確保に向けた国家公務員採用試験の課題と今後の施策」のとおり)。この調査の分析結果により、公務が就職先として選択されなかった理由や公務に対するイメージ等を定量的に把握することができた。
  •  ②官民問わず人材獲得競争が特に激しい理学や工学等の技術系人材確保に向けた活動を強化するため、各府省の協力の下、技術系の国家公務員が活躍する職場を直接訪問し、仕事の魅力をリアルに体感しつつ、技術系業務に関心を持ってもらうことを主な目的として、職場訪問型イベント「技術×国家公務員仕事OPEN」を新たに実施した。
  • 本イベントにおいては、多くの参加者を得るとともに、参加者アンケートからは、職場の様子や雰囲気などを感じることができて参考になった旨の回答が多く寄せられた。
  •  ③公務志望者を対象として、各府省が参加するオンラインによる合同業務説明会「中央省庁webフェスタ」や、毎回異なるテーマで国家公務員の魅力に迫るオンライン企画「web国家公務員セミナー」を新たに実施するなど、時間と場所の制約を受けずに参加できるオンラインイベントの開催回数を増やした。

また、「国家公務員試験採用情報Twitter」における配信を頻繁に行い、各府省と連携した企画を行うなど、SNS等を活用した情報発信を強化するとともに、公務志望者により具体的な公務のイメージを持ってもらえるよう、採用試験・業務説明会等に関する情報、各府省が求める人物像、現役職員からのメッセージなど幅広い情報を積極的に発信した。

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