第1編 人事行政

第2部 「選ばれる」公務職場を目指した魅力向上・発信戦略
    ~働く場としての公務のブランディング~

第3章 魅力の公務職場内への浸透及び公務外への発信

第3節 公務のブランディングの実施体制等

人材確保に向けて、人事院のみならず、内閣官房内閣人事局、各府省も、それぞれの立場で工夫しながら取組を進めてきている。

しかしながら、これまで見てきたように、国家公務員のやりがいや成長の機会、働き方についてネガティブなイメージを持たれている現状を踏まえれば、公務全体が一丸となって公務のブランディングに取り組まなければ、厳しい人材獲得競争の中で、優秀で志のある人材を確保し続けることはできない。今後、公務のブランディングを推進していくに当たっては、関係機関が連携を強化し、一体として公務の魅力の言語化、部内浸透、対外発信に戦略的に取り組んでいくことが重要である。

そこで、人事院、内閣官房内閣人事局及び各府省人事当局が連携して、公務のブランディングに関する府省横断チーム(各府省の若手・中堅を中心に構成)を立ち上げることを提案する。府省横断チームにおいては、例えば、国家公務員の募集・採用活動における共通の採用ブランドメッセージの策定、人事院・内閣官房内閣人事局・各府省の採用情報を掲載するホームページ間の連携強化、人材確保活動に関するベストプラクティスの共有などを行い、公務の魅力に関する共通認識を持った上で各府省が整合的な魅力発信を行うよう連携することが考えられる。

このような取組を進めるためには、当然ながら、公務のブランディングに必要な人員等が確保される必要がある。「令和7年度における人事管理運営方針について」(令和7年3月31日内閣総理大臣決定)においては、「各府省等の官房人事課等の人事管理部門の機能強化を図る」旨言及されており、人事院としても、各府省人事当局における必要な人員の確保等に向けて、内閣官房内閣人事局等と連携して取り組んでいくこととする。また、人事院内においても、公務のブランディングの司令塔となる部署の強化を図っていく必要がある。

さらに、人材確保施策に関わる職員以外の者についても、一人一人が公務の価値の発信者になり得るという自覚を持ち、それぞれが公務のブランディングを担うという意識で日々行動していくことが重要である。なお、公務のブランディングによる組織内での魅力浸透の状況については、各府省におけるエンゲージメント調査の定期的な実施により、進捗状況を把握していくことが重要である。

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