行政課題が一層複雑・高度化している中で、国民全体の奉仕者として公務能率を維持・向上させていくためには、時代環境に対応できる多様で有為な人材を確保していくことが重要な課題である。
若年層において進路選択の早期化や就業意識の多様化が顕在化する中、公務における人材確保については、民間企業等との人材獲得競争が激しくなるなど非常に厳しい状況にある。
このような中、時間や場所に縛られずに様々な活動を展開できるオンラインによる配信やアーカイブの公開を積極的に活用しながら、国家公務員が社会への貢献とやりがいを感じられる魅力的な職業であることや各府省が求める具体的な人材像などを発信するとともに、民間就職支援会社が開催する合同説明会の場も一層活用するなど、新たな人材供給源を開拓するために、各府省や大学等との連携・協力の下、積極的に人材確保のための活動を行った。
また、現下の公務組織における職員の年齢階層別の在職状況の偏りや行政課題の複雑・高度化を踏まえれば、公務組織を支える多様で有為な人材を確保するためには、採用試験を通じた新規学卒者等の確保・育成だけでは組織を維持することは難しく、民間企業等における多様な経験や高度な専門性を有する人材をより一層公務に誘致することが不可欠な状況にある。
このような中、国家公務員として働く魅力や採用プロセス等を民間転職情報サイトに掲載し情報発信を行うとともに、民間就職支援会社が開催する転職希望者向けの説明会に出展し、これまで国家公務員への転職を検討してこなかった層も対象に人材確保のための活動を行った。


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公務研究スタートダッシュ
公務研究スタートダッシュは、令和5年度から開始した取組である。国家公務員という職業が、学生にとって将来について考える際の選択肢となるよう大学2年生以下を主な対象とし、就職活動を始める前の階層に公務の魅力を知ってもらうことを目的とするものである。
本年度は、5月に対面形式で実施し、33府省66名の職員が異なる府省同士でペアを組み、国家公務員を目指すこととなったきっかけや休日の過ごし方などを参加者に伝えた。

WEB公務研究セミナー・公務研究セミナー・申込直前WEB公務研究セミナー
公務研究セミナーは、国家公務員の仕事や各府省の業務概要、直面する政策課題(現在の取組、今後の展望等)の説明、仕事のやりがい、職場の状況等の紹介を通じて、国家公務員の仕事の魅力や勤務の実情等について理解を深めてもらい、学生の職業観の育成を図りつつ、公務に関心を持ってもらうことを目的とするものである。
本年度は、6月のWEB公務研究セミナーの実施を皮切りに、2月にかけて全国主要都市において基本対面形式で実施した。
また、総合職春試験の申込受付直前である2月上旬にも、申込直前期に各府省の魅力や求める人材像等を紹介することで、志望度合いやモチベーションを高めてもらうことを目的として、各府省合同のオンライン形式で実施した。

公務研究セミナーin霞が関・霞が関OPENゼミ
公務研究セミナーin霞が関及び霞が関OPENゼミは、中央省庁の職場を開放して実際にその仕事ぶりを見学し、業務説明や職員との意見交換等の機会を持つことを通じて、公務への理解と関心を高め、国家公務員志望者を増やすことを目的とするものである。
本年度は、対面形式を基本としつつ、府省によっては遠方からも参加できるようオンライン形式を併用して実施した。

WEB国家公務員テーマ別クロストーク
WEB国家公務員テーマ別クロストークは、令和3 年度から開始した取組である。国家公務員志望者等が関心を持ちやすいようなテーマを毎回設定して、各府省の若手や中堅の職員を交え、様々な角度から国家公務員の仕事の魅力を伝えることにより、公務に関心を持ってもらうことを主な目的とするものである。本年度は、7月から2月にかけて、計10回、学生等が視聴しやすい夕方から夜の時間帯にオンラインでライブ配信し、質疑応答パートなど視聴者参加型で実施した。

国家公務員OPENゼミ
国家公務員OPENゼミは、理系学生を対象とする技術×国家公務員仕事OPENとして令和3年度から開始した取組であり、本年度は令和5年度に引き続き、理系学生を対象にしたOPENゼミ及び文系学生も対象に含めたOPENゼミを実施した。国家公務員が活躍する職場を直接訪問し、実際の仕事の見学・体験や職員との座談会などにより、仕事の魅力をリアルに体感しつつ、国家公務員の業務に関心を持ってもらうことを主な目的とするものである。
中央省庁及び地方機関において、対面形式を基本としつつ、府省によっては遠方からも参加できるようオンライン形式を併用して実施した。

公共政策大学院及び法科大学院の学生を対象とした人材確保のための活動
1 インターンシップ
公共政策大学院及び法科大学院の学生に政策決定等の行政実務に係る就業体験の機会を付与することを通じて、大学院教育に協力するとともに、行政に対する理解を深めてもらうことを目的として、7月から9月までに公共政策大学院6大学院34人が10府省、法科大学院5大学院9人が4府省で2週間を基本に実習を実施した。
2 就職指導担当教員との意見交換会
公共政策大学院・法科大学院それぞれの就職指導担当教員と公務における人材確保等について意見交換を実施した。
ホームページ、メールマガジン、各種SNSの活用
多様で有為な人材を確保するためには、より多くの学生等に国家公務員に関心を持ってもらい、国家公務員採用試験を受験してもらうことが必要であることから、学生等が手軽に情報を入手できるよう、次のような媒体を活用し、国家公務員採用試験情報、試験合格から採用までの手続、説明会・セミナーなどに関する情報を発信している。
◎ ホームページ「国家公務員試験採用情報NAVI」
学生等が国家公務員採用試験や採用試験合格後の採用手続、説明会、セミナーに関する情報などを入手しやすいよう、これらの情報を集約したWEBページ「国家公務員試験採用情報NAVI」を人事院ホームページ上で展開している。
◎ メールマガジン「国家公務員試験採用情報NEWS」
WEB上で配信登録をした学生等に対し、採用試験日程、説明会・セミナー等の情報などを週1回程度配信している。
◎ インスタグラム・Threads「国家公務員試験採用情報Instagram」
学生等に対し、各府省に勤務する国家公務員からのメッセージ、国家公務員の採用に関する情報などを随時発信している。
◎ X(旧ツイッター)「国家公務員試験採用情報X」
◎ YouTube「国家公務員試験採用情報チャンネル」
学生等に対し、国家公務員の採用に関する情報や各府省職員が出演する国家公務員の魅力や実態に関する動画などを随時発信している。

