第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

第3章 多様な人材の確保・育成等

2 研修の更なる充実

(1)初任行政研修の充実

初任行政研修は、本府省において主に政策の企画立案等の業務に従事することが想定される総合職試験等からの採用者を対象として実施している。この研修は、採用直後の段階で各府省の同世代の職員と合宿研修を行うことにより、相互の信頼関係を構築し、国家公務員としての一体感を醸成する機会となっている。平成28年度は、5コース・各5週間の日程で実施した。

この研修では、公務員としての心構えに関する講義や、過去の行政事例を題材に政策形成の在り方について議論する科目等を通じ、全体の奉仕者としての素養を身に付けさせている。また、介護施設、地方自治体等の現場での実地体験や東日本大震災の被災地で活動する特定非営利活動法人等の協力を得て復興支援に取り組むことにより、国民の視点に立って行政を遂行する姿勢を学ばせている。平成28年度は、上記復興支援プログラムについて新たに福島県の1団体を派遣先に加えて拡充を図った。

近年は、採用後の早い段階から国際的な業務に対する関心を高め、国際業務に欠かせない英語の必要性を実感させるために、国際化に対応した科目の充実に努めている。平成28年度においては、全コースにおいて、英語による意見交換の機会を増やした。また、東南アジア諸国政府職員との英語での意見交換を行うとともに、政策ディベートについても英語で実施するコースを設け、特色を持たせた。

(2)マネジメント能力向上に資する研修の充実

行政課題の複雑・多様化、組織・職員構成の変化、職員の抱える事情や就業意識の変化等の公務を取り巻く環境の変化に対応していくため、マネジメント能力の向上が重要な課題となっている。

このため、職場のマネジメントを担う職員を対象に人事院が実施する行政研修(各府省合同研修)において、人事院職員が講師となり、各役職段階に応じた研修カリキュラムを実施し、自己のキャリア形成やマネジメント能力の向上について研修員自らが考え、実践につなげるための機会を提供した。また、地方機関職員研修では、従来よりもマネジメントに関するカリキュラムを充実させたほか、仕事の管理や部下の指導等に関する原則を理解し、マネジメントやリーダーシップの在り方を考える新規の研修を実施するなどの取組を行った。

Back to top