第1編 《人事行政》

【第2部】 魅力ある公務職場の実現を目指して

第2章 調査結果から明らかになった公務職場の魅力

第2節 コンプライアンス

国家公務員には、法令に従う服務義務が課されており、職員のコンプライアンスは極めて重要である。

そこで、まず、国民に対する公正な職務執行という面からのコンプライアンスに関する職員の認識を見てみると、【法令の理解・遵守】の領域は肯定的な評価がなされており、また、これに属する質問項目である「法令やルールの理解度」や「法令や倫理の遵守度」についても肯定的な傾向が見られており、この結果は、国家公務員倫理審査会が実施している「公務員倫理に関するアンケート(職員アンケート)」において、国家公務員の倫理感について、全体として高いという印象を持つ職員が多い(平成28年度 86.7%)という結果とも符合している。

国家公務員が国民全体の奉仕者であって、その職務は国民から負託された公務であることを踏まえれば、職員が職務に係る法令や倫理を遵守することは、職務の執行の公正性に対する国民の信頼を確保することにつながる。このような職場風土を維持・改善していくため、より一層、服務や倫理についての周知徹底を行うとともに、遵守すべき法令や倫理の理解を深めるための研修を定期的に実施し、職員の継続的な受講を促進することが必要である。

次に、職場環境におけるコンプライアンスという観点から、職場におけるハラスメントについての職員の認識を見てみると、「セクハラの防止度」は肯定的な傾向が見られ、また、「パワハラの防止度」はやや肯定的な傾向が見られており、公務職場の特徴として、ハラスメントが一定程度防止されていると感じている職員が多いことが明らかになった。なお、セクシュアル・ハラスメントについては、男性よりも女性の方がセクシュアル・ハラスメントと認識する場面が多く、パワー・ハラスメントについては、課長級よりも係長級の方がパワー・ハラスメントと認識する場面が多いといった傾向に留意しつつ、ハラスメント対策を一層進めていく必要がある。

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