第1編 《人事行政》

【第2部】 魅力ある公務職場の実現を目指して

第3章 調査結果から明らかになった公務職場の課題

第1節 人事管理において改善が見られる課題

1 女性職員が活躍しやすい職場

女性の活躍推進については、平成27年に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が制定されるなど、国を挙げて取り組んでいるところである。

そこで、公務における女性の活躍について見てみると、「女性活躍推進」は中立的な傾向が見られた。男女別で見ても、僅かに女性の平均値が低いものの、大きな差は見られなかったことから、女性職員にとっても、公務において女性活躍推進の取組がある程度進んでいると受け止められているものと考えられる。

また、「女性活躍推進」と相関がある「能力本位の昇進」も中立的な傾向が見られ、国公法が定める平等取扱の原則の下、男女を問わず能力・実績に基づく昇進管理や登用が行われていることも女性の活躍推進につながっていると考えられる。

さらに、仕事と家庭の両立についての職員の意識を見てみると、「ワーク・ライフ・バランス」は肯定的な傾向が見られており、職場における「メンバーのサポート」、「チームでの協力」、「情報交換」についても中立的な傾向が見られることから、仕事と家庭の両立のための環境は、制度面だけでなく職場での支援体制も含めて、改善に向かっていると考えられる。

以上のことから、公務職場では女性職員が活躍しやすい環境の整備が進みつつあると考えられる。

一方、「自身の将来イメージ」、「ロールモデルの存在」、「業績目標のチャレンジ性」、「仕事におけるチャレンジ」、「仕事のための自己研鑽」、「仕事を通じた成長実感」については、男女別で回答に大きな差があり、女性の方が否定的な傾向が見られた。

このことから、公務における女性職員の活躍を更に推進するためには、多様な職務経験の機会を与えることが求められる。これまでも、女性職員の職業生活における目標を具体的に設定し、ロールモデルを紹介したり、メンターによる支援を行ったりしてきたが、意欲や能力を高められるような仕事を計画的に経験させるとともに、挑戦しがいのある仕事の達成を通じて成長実感を得られるような取組を一層推進することが重要である。

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