人事評価に関連する質問項目を見てみると、「人事評価制度の理解度」は肯定的な傾向が見られ、「業績目標の納得感」、「事実に基づく評価」、「人事評価の納得感」についても、やや肯定的な傾向が見られた。このことから、制度への理解、適切な目標設定、客観的な評価が、評価結果の納得性の向上につながっているのではないかと考えられる。
こうした調査結果の背景には、人事評価制度導入後7年が経過した現在、人事評価に関する研修や周知の結果、制度や運用に対する理解が浸透し、職員が業務遂行に当たって目標設定を行うことが定着してきているとともに、上司の評価技法も向上してきていることがあると考えられる。
また、「人事評価の納得感」と中程度の相関があった「能力本位の昇進」も中立的な傾向が見られたことを踏まえると、国公法が定める人事管理の原則の下、職員の人事管理が人事評価に基づいて行われていると感じる職員が増えてきているのではないかと考えられる。
他方で、「人事評価の納得感」と中程度の相関があった「給与の満足度」は否定的な傾向が見られたことを踏まえると、人事評価結果に納得していない職員は給与にも不満を持つ場合もあると考えられることから、人事評価の納得感を一層高めていくことが求められる。