第2編 《国家公務員倫理審査会の業務》

第1章 職員の職務に係る倫理の保持を図るための啓発活動等

1 倫理制度の周知徹底、広報活動

倫理法・倫理規程の適正な運用を確保するためには、第一に、これらの法令の適用を受ける職員に対しその内容を周知徹底することが不可欠である。加えて、これらの職員と接触する機会のある事業者等に対しても、その内容の理解とともに、職員の倫理保持に対する協力を求めることが重要である。このような認識の下、平成28年度においては、次の(1)~(3)の業務を実施した。

(1)各府省等との会議や懇談会の開催

各府省等における実務の重要な担い手である本府省の倫理事務担当者等を対象とした会議などの機会を通じ、倫理研修の計画的な実施や職員の職務に係る倫理の保持のための相談・通報の活用推進に関する指導・助言を行うとともに、各府省等における倫理保持のための取組の参考となるよう、各府省等で実施された啓発活動や倫理的な組織風土の構築のための取組の具体例の共有等を行った。

また、各府省等において倫理保持について職員を指導すべき立場にある官房長等との懇談会を開催し、各府省等における倫理の遵守状況や倫理保持のための取組状況や課題について意見交換を行った。

さらに、地方機関における倫理の遵守状況や倫理保持のための取組状況について把握するため、地方機関の長等を対象とした懇談会を開催し、地方機関における倫理保持に関する課題について意見交換を行った。

(2)事業者等への広報活動

国家公務員と接触する機会のある事業者等に対して倫理法・倫理規程の周知及び理解の促進を図るため、全国の経済団体等43団体を訪問して、倫理法・倫理規程のポイントを説明し、会員に対するパンフレットの配布、機関誌やウェブサイトへの公務員倫理に関する記事の掲載など、事業者等に対する広報活動への協力の依頼等を行った。このほか、郵送等でも同様の依頼を行った。この結果、合計60団体のウェブサイト、機関誌等に公務員倫理に関する記事が掲載された。

これに加えて、地方公共団体も利害関係者になり得るため、地方公共団体をめぐる倫理法等違反事例も紹介した広報資料を47都道府県、20指定都市を中心に全国の地方公共団体に配付し、公務員倫理に関する周知を行った。

また、事業者等の視点に立って公務員倫理の制度や運用、事例についてまとめた事業者用教材を新たに作成し、各府省等や事業者等に配布した。

(3)国家公務員倫理週間における啓発活動

平成14年度から毎年実施している「国家公務員倫理週間」(12月1日から同月7日までの1週間)に際し、主に、倫理感のかん養・保持に資する「風通しの良い職場環境の構築に関する標語」・「相談・通報窓口の利用促進に関する標語」を募集したところ、10,309点の応募があり、応募作品の中から倫理審査会において最優秀作品1点(「『おかしい』と 言える雰囲気 言う勇気」)及び優秀作品2点を選定し、これを用いた啓発用ポスターやパンフレットを作成した。これらを各府省等のほか、地方公共団体、経済団体等に配布した。また、国家公務員を対象として、岡本浩一氏(東洋英和女学院大学人間科学部教授)による講演会(演題「不祥事防止と組織風土についての社会心理学観点」)を開催した。さらに、各府省等に対しては、倫理監督官による公務員倫理に関する講話の実施、セルフチェックシートなど公務員倫理に関する研修教材の活用、「公務員倫理ホットライン」(後掲「3 相談・通報の活用促進」参照)の周知徹底などの要請を行った。

倫理週間ポスター
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