(1)業務量、人事異動及び人事評価に対する職員の意識
職員意識調査の再分析の結果、自らの職場を低く評価した若年層職員は、業務量に応じた人員の配置などの業務管理と評価やキャリア形成などの人材マネジメントに改善の余地があるとより強く捉えていることがうかがえた。
また、意識比較アンケートでは、特に人員配置についての評価が、民間企業と比べ、肯定的回答の割合が低く、否定的回答の割合が高かった。
(2)積極的な転職意向がある者が重要視するもの
意識比較アンケートによれば、積極的な転職意向がある若年層が働く上で重要視しているものは国家公務員と民間企業従業員との間で傾向に大きな差はなく、「自分の知識・スキルの専門性を高め、活用できること」と回答する者の割合が高く、「経済的な安定」、「ワーク・ライフ・バランス」と回答する者の割合は低かった。
(3)キャリア形成における人事担当部局や管理職員からの支援に対するニーズ
若年層について、意識比較アンケートにおける「あなたは、上司や人事担当者には、従業員(職員)一人一人のキャリア志向、成した成果などについて、もっと丁寧に向き合ってほしいと思う」という質問への回答傾向は、国家公務員と民間企業従業員とで大きな違いはなかった。いずれも若年層ほど肯定的回答の割合が高くなり、30歳未満では肯定的回答の割合が約5割であった。また、「あなたの職場では、従業員(職員)を大切にする風土がある」という質問への否定的回答の割合は、国家公務員については、30歳台が最も高くなった。
さらに、各府省の人事担当部局に対し実施したヒアリングにおいて、いくつかの府省から、若年層職員は、自身のキャリア形成に主体的・積極的な意識を持つ傾向が強くなっている、自身のキャリアパスが不明瞭であることに不安を感じる職員もいる、また、周囲が自分をしっかりと見てくれていることを実感するとモチベーションが上がる傾向が強いように感じる等の声があった。