府省へのヒアリングからも確認できたように、現在、多くの府省では、職員の採用から退職に至るまでに生まれる様々な情報が容易に検索できる形で管理されておらず、中には、電子データではなく紙で保管されている場合もある。また、そのほとんどの場合において、人事評価や人材育成など、人事業務プロセスの各担当者が、自身の担当業務の範囲において必要な情報を収集・管理している。このような背景から、人事担当部局や管理職員が、用途に応じた職員リスト(例えば、特定の研修受講経験のある職員リストなど)の作成等に当たっては相当な手間を要するという声も少なからずある。既に第2章第4節において述べたように、職員個別の状況を踏まえたきめ細かい人材マネジメントを効率的に行う基礎として、職員に関する様々な情報が紙ではなく電子的に蓄積されること、上司・部下がそのデータをキャリア形成や育成等に容易に活用できる状態としておくこと等が重要である。また、上記2のような取組を円滑に行うための仕組みとしても有用である。以上を踏まえ、公務組織においても、タレントマネジメントシステム等のように職員に係る諸情報を蓄積して容易に活用できるプラットフォームを導入していくべきであると考える。