第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動き

Ⅰ  新時代における公務人材マネジメントの実現に向けて
  ~人事行政諮問会議~

デジタル化が進展し、人材戦略の重要性が増大する新たな時代を見据え、優秀な人材を公務に誘致する上で不可欠である人材マネジメントのグランドデザイン構築が急務となっている。

人事院は、これまでも、採用試験実施時期の前倒し、受験可能年齢の引下げ、新たな区分の創設等の試験制度の改善、勤務間のインターバル確保の努力義務化、フレックスタイム制を活用した「勤務時間を割り振らない日」の対象職員の拡大等、異なるバックグラウンド、キャリア意識、人生設計を持つ職員一人一人が躍動でき、Well-beingが実現される公務を目指してきた。

しかし、現在の大きく変容する状況に対応し、公務が直面する国家公務員の人材確保に係る危機的な状況を打破するためには、公務員人事管理全般について更に抜本的な方策を講ずる必要がある。

そこで、人事院は、令和5年9月より公務員人事管理の在り方について、聖域を設けることなく骨太かつ課題横断的な議論を行う各界有識者による会議(「人事行政諮問会議」)を開催し、そこでの議論を踏まえ、公務員人事管理について抜本的なアップグレードに向けた施策を検討することとしている。

令和5年度年次報告書では、第1回から第8回までの当該会議の開催状況及び昨年5月に取りまとめられた中間報告について報告した。本稿では、第9回以降の会議の開催状況及び本年3月に取りまとめられた最終提言について報告するものである。

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