前記第2章において、公務職場の提供価値を「社会への貢献に関する価値」、「職員の成長に関する価値」、「働く環境や経済的利益に関する価値」の三つの観点から整理した。そして、「社会への貢献に関する価値」は「国」の視点から社会・国民生活の向上に貢献できるという点で国家公務員の唯一無二の魅力として整理できること、「職員の成長に関する価値」もより積極的に魅力として整理することが可能であることを確認した。また、「働く環境や経済的利益に関する価値」についても、正しいイメージが伝わるように情報発信に取り組むとともに、今後の改善の方向性等を合わせて示すことでネガティブなイメージの払拭に取り組むことが重要であることを確認した。
公務のブランディングを進めていくに当たっては、これらの魅力となる提供価値について、公務職場内の浸透による魅力向上の取組と、公務外への発信のための取組を一体的、整合的に実施していくことが重要となる。そこで、本章においては、公務全体のブランディング施策の方向性を整理する。
なお、公務全体のブランディングと府省ごとのブランディングは、相乗的に取り組んでいくことが重要である。府省ごとのブランディングは、府省それぞれの所管業務や組織の特徴などを踏まえ、更に独自の提供価値を整理した上で進めていくこととなる。
まず、第1節では、公務職場内への価値浸透による魅力向上の取組について検討していく。