第1編 人事行政

第3部 令和6年度業務状況

第1章 職員の任免

第4節 民間人材の採用の促進

民間人材の公務における活用に関しては、①公務の活性化のための民間人材の採用、②任期を定めた職員の採用、③研究公務員の任期を定めた採用、④官民人事交流など多様な制度によりこれを実施している。

1 公務の活性化のための民間人材の採用

規則1-24(公務の活性化のために民間の人材を採用する場合の特例)によって、部内の養成では得られない高度の専門性や多様な経験を有する民間の人材を円滑に採用し、公務の活性化に資するための弾力的な採用システムを設けている。

対象となるのは、(1)実務経験等により高度の専門的な知識経験を有する民間の人材を採用する場合、(2)新規の行政需要に対応するため、実務経験等により公務に有用な資質等を有する民間の人材を採用する場合、(3)公務と異なる分野における多様な経験等を通じて公務に有用な資質等を有する民間の人材を採用する場合であり、具体的には、原子力に関する専門技術者、診療情報管理士、金融実務経験者等をこの制度により採用している。

この制度による令和6年度の採用者数は表1-8のとおりである。

民間人材の採用(規則1-24)に基づく採用状況
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2 任期を定めた職員の採用

任期付職員法に基づく任期付職員制度は、試験研究機関の研究員等を除く一般職の職員について実施しているものであり、(1)高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者をその者が有する当該高度の専門的な知識経験又は優れた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合、(2)専門的な知識経験を有する者を当該専門的な知識経験が必要とされる業務に期間を限って従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要である場合の二つに分けて実施している。また、(1)の場合については、当該職員に対し、その高度の専門性等にふさわしい給与を支給できることとしている。

この制度による採用に当たっては、高度な専門的知識経験等を有することについての適正な能力実証に加え、公募又は公募に準じた公正な手続を経ることが必要である。

この制度による令和6 年度の採用者数等は801人であり、幅広い府省において着実な活用が図られている(図1-7、表1-9)。

任期付職員法に基づく採用状況
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任期付職員法に基づく府省別採用状況
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3 研究公務員の任期を定めた採用

任期付研究員法に基づく任期付研究員制度は、国の試験研究機関等で研究業務に従事する一般職の職員について、(1)高度の専門的な知識経験を必要とする研究業務に従事させるため特に優れた研究者を採用する「招へい型」と、(2)当該研究分野における先導的役割を担う有為な研究者となるために必要な能力のかん養に資する研究業務に従事させるため、独立して研究する能力があり、研究者として高い資質を有すると認められる若手研究者を採用する「若手育成型」の二つの場合に分けて実施している。

この制度により、令和6年度は、招へい型として58人、若手育成型として46人の者が採用されている。

なお、任期付職員法や任期付研究員法のほか、任期を定めた採用としては、規則8-12(職員の任免)第42条に基づき、(ア)3年以内に廃止される予定の官職、(イ)特別の計画に基づき実施される研究事業に係る5年以内に終了する予定の科学技術等に従事する官職に採用する場合がある。これによる令和6年度の採用者数は、(ア)については公共職業安定所の職員として1人、(イ)については採用実績はなかった。

4 官民人事交流

官民人事交流法に基づく官民人事交流制度は、公務の公正な運営を確保しつつ、民間企業と国の機関との人事交流を通じて、民間と国との相互理解を深めるとともに、組織の活性化と人材の育成を図ることを目的とする制度であり、(1)府省の職員を民間企業に派遣する交流派遣と、(2)民間企業の従業員を府省で任期を付して採用する交流採用の二つのケースがある。

人事院は、官民人事交流法第23条第2項の規定に基づき、令和7年3月26日に令和6年における官民人事交流の状況を国会及び内閣に報告した。

令和6年中に交流派遣職員であった者は90人、交流採用職員であった者は1,141人であり、令和4年から令和6年までの間に交流派遣後職務に復帰した職員は102人であった。

また、令和6年における新たな交流派遣者数は26人、交流採用者数は397人であった(図1-8、表1-10)。

さらに、経済団体等の協力を得て、内閣官房内閣人事局及び内閣府官民人材交流センターと共同して民間企業を対象とした説明会を、令和5年度に引き続き、東京において開催するとともに、令和6年11月18日から同年12月17日までの1か月、インターネットを利用した録画配信により実施した。

加えて、制度のあらましと官民人事交流経験者や民間企業の人事担当者の体験談を紹介するパンフレットを、内閣官房内閣人事局及び内閣府官民人材交流センターと共同して作成し、各種説明会等の機会を通じて配布するなど、官民人事交流の推進に努めた。

官民人事交流の実施状況
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府省別官民人事交流の実施状況(1)交流派遣
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府省別官民人事交流の実施状況(2)交流採用
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