第2編 国家公務員倫理審査会の業務

この1年の主な施策及び今後の展望

 令和6年度は倫理審査会発足25周年に当たることを踏まえ、今後、より実効的な倫理保持の仕組みへ発展させていくため、新たに重点的に取り組む課題として、①『「単なる知識」から「具体的な場面を意識した知識」へ』、②『倫理保持に関する新たな価値観の設定・普及~倫理を「身を守る武器とするもの」へ~』及び③『倫理法令上の規制に関する検討』の3つを設定した。これらを踏まえ、①及び②の具体策として、新たに、ケーススタディ教材(「事例で学ぶ職場の倫理リスク」)、会合参加時のチェックツール、利害関係者リストのサンプルを作成し、各府省に周知し、また、③の具体策として、利害関係者との飲食時の割り勘の端数の取扱い等について、一部見直しを行った。

 各府省の官房長等や地方機関の長等との懇談による現状把握のほか、本府省及び地方機関の倫理事務担当者等を対象とした倫理制度説明会やWebを通じた有識者講演会の実施、研修教材の制作・配布、各府省が実施する倫理研修等への講師派遣、国家公務員倫理月間における各種研修・啓発活動の実施等、職員に対する定期的・継続的な意識啓発活動に資する取組を行った。また、相談・通報窓口の周知や相談しやすい職場環境を構築すること等を各府省に促した。

 職員の職務の相手方となる事業者等への倫理法・倫理規程の周知・理解の促進を図るため、全国の経済団体等に対する広報依頼、地方公共団体への周知依頼等を行った。特に令和6年度は、倫理審査会の会長及び委員が公益社団法人経済同友会の幹事会に初めて出席し、国家公務員倫理のルールに関する説明等を行った。

 倫理の保持のための施策の参考とするため、各界の有識者からの意見聴取や市民・職員アンケートを実施した。

 今後も、公務に対する国民の信頼を確保しつつ、公務においても事業者等においても円滑な業務運営ができるよう、新たな重点課題への取組など、様々な施策を展開していきたい。

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