第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

第1章 適正な公務員給与の確保等

2 給与勧告等の取扱い等

(1)給与勧告の取扱い

政府は、平成28年8月15日及び10月14日に、給与関係閣僚会議を開催して給与勧告の取扱いを協議し、同日の閣議決定において、人事院勧告どおり給与改定を行うとともに、給与制度の総合的見直しを着実に推進するものとされた。また、同日、「一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、第192回国会に提出された。同法案は、衆議院内閣委員会、参議院内閣委員会における審査を経て、同年11月16日の参議院本会議で可決・成立し、同月24日に公布された。給与法等改正法のうち民間給与との較差に基づく給与改定については、平成29年度以降の期末手当・勤勉手当に関する改定を除き同日から施行され、平成28年12月期の期末手当・勤勉手当に関する改定を除き平成28年4月1日に遡及して適用された。平成29年度以降の期末手当・勤勉手当に関する改定、配偶者に係る扶養手当の見直し及び専門スタッフ職俸給表4級の新設に関する規定については、平成29年4月1日から施行された。

(2)規則の制定・改正

給与法の改正に伴う規則は、給与法等改正法の公布に併せて平成28年11月24日に公布した。主な改正等の内容は、次のとおりである。

ア 民間給与との較差に基づく給与改定に関する規則の制定・改正

民間給与との較差に基づく給与改定に関する規則の制定・改正は、給与法等改正法の公布日(平成28年11月24日)から施行し、平成28年4月1日に遡及して適用した。ただし、(ウ)については、平成28年12月期の勤勉手当の改正は給与法等改正法の公布日から施行し、平成29年度以降の勤勉手当の改正は平成29年4月1日から施行した。

(ア) 俸給の特別調整額

俸給表の改定によって職務の級における最高の号俸の俸給月額が引き上げられることに伴い、当該俸給月額の100分の25に相当する額となっている俸給の特別調整額の支給額を改めるため、規則9-17(俸給の特別調整額)の一部を改正した。

(イ) 初任給調整手当

医療職俸給表(一)の平均改定率を踏まえた手当額の引上げを行うため、規則9-34(初任給調整手当)の一部を改正した。

(ウ) 期末・勤勉手当

勤勉手当の支給月数が引き上げられたことに伴い、平成28年12月期及び平成29年度以降の成績率の基準を定めるため、規則9-40(期末手当及び勤勉手当)の一部を改正した。

(エ) 本府省業務調整手当

本府省業務調整手当について、平成28年4月から適用される係長級及び係員級の手当額を引き上げるため、規則9-123(本府省業務調整手当)の一部を改正した。

(オ) その他

俸給表の引上げ改定に伴い、職員が昇格等をした場合の号俸対応を変更するため、規則9-8(初任給、昇格、昇給等の基準)の一部を改正するとともに、新たに規則9-142(平成28年改正法の施行に伴う給与の支給等の特例)を制定した。

イ 給与制度の改正に関する規則の改正

給与制度の改正に関する規則の改正は、平成29年4月1日から施行した。ただし、(エ)については、平成28年12月期の勤勉手当の改正は給与法等改正法の公布日から施行し、平成29年度以降の勤勉手当の改正は平成29年4月1日から施行した。

(ア) 給与制度の総合的見直し

本府省業務調整手当について、平成29年4月から適用される係長級及び係員級の手当額を引き上げるため、規則9-123の一部を改正した。

(イ) 配偶者に係る扶養手当の見直し

子以外の扶養親族に係る手当について、行政職俸給表(一)9級及び10級並びにこれらに相当する職務の級の職員には支給しないこととしたこと、行政職俸給表(一)8級及びこれに相当する職務の級の職員の手当額については3,500円としたことを踏まえ、行政職俸給表(一)8級並びに9級及び10級に相当する職務の級について定める等の改正を行うため、規則9-80(扶養手当)の一部を改正した。

(ウ) 専門スタッフ職俸給表4級の新設

① 初任給、昇格、昇給等の基準

専門スタッフ職俸給表4級の新設に伴い、その標準的な職務、採用、昇格時等における職務の級及び号俸の決定方法、昇給号俸数等を規定するため、規則9-8の一部を改正した。

② 期末・勤勉手当

専門スタッフ職俸給表4級の職員を期末手当・勤勉手当の役職段階別加算の対象とするため、規則9-40の一部を改正した。

③ 管理職員特別勤務手当

専門スタッフ職俸給表4級の適用を受ける職員が週休日等に臨時又は緊急の必要等により勤務した場合の手当額を定めるため、規則9-93(管理職員特別勤務手当)の一部を改正した。

(エ) その他

再任用職員の勤勉手当について、勤勉手当の支給月数の引上げ分の一部を用いて、「優秀」適用者の成績率を「良好(標準)」適用者の成績率よりも一定程度高いものとなるよう、平成28年12月期及び平成29年度以降の成績率の基準を定めるため、規則9-40の一部を改正した。

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