第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

第2章 働き方改革と勤務環境の整備

3 ハラスメントの防止対策

(1)妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等を目的とした規則の制定

平成28年3月に男女雇用機会均等法、育児・介護休業法等が改正され、平成29年1月から新たに、妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関する職場での言動に起因する問題を防止するために必要な措置を講ずることが事業主に義務づけられたことを踏まえ、一般職国家公務員について、各省各庁の長に同様の防止措置を義務づけるため、新たに規則10-15(妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等)を平成28年12月1日に公布し、平成29年1月1日から施行した。

同時に、職員の育成もまた上司の重要な職責であり、長期的キャリアパスの支援の観点から幅広い職務経験を積ませることにも十分な配慮をする必要があることについても、説明会等で周知したところである。

これにより、職員の妊娠・出産、妊娠・出産に関する制度等の利用、育児・介護に関する制度等の利用に関し、上司又は同僚からの言動により勤務環境が害されることを防止するため、各省各庁の長に対し、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止に関する方針の明確化、研修の実施や相談窓口の設置等を義務づけるとともに、業務体制の整備など妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置を求めることとした。

(2)セクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメントの防止等を目的とした取組

性的指向や性自認に関する正しい理解の促進等が社会的課題となっていることや、民間労働法制において、セクシュアルハラスメントの防止措置に関する事業主向けの指針等を改定し、被害を受ける者の性的指向や性自認にかかわらず、性的な言動によるものであればセクシュアルハラスメントに該当する旨が明示されたことを踏まえ、一般職国家公務員について、性的指向や性自認をからかいの対象とする言動等もセクシュアル・ハラスメントに該当することを明確にするため、規則10-10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)運用通知を改正し、平成29年1月1日から施行した。

また、平成28年12月に「パワハラが起こらない職場マネジメント ~気づかぬうちにあなたも加害者!~」をテーマに、本府省の幹部職員及び人事担当者を主な対象としてパワー・ハラスメント防止シンポジウムを開催した。有識者や先進的な取組を行っている民間企業担当者による最新の知見や対応等の紹介を始め、パワー・ハラスメントに係る様々な課題についての意見交換を行い、パネリストからは、直接の当事者に対する処分や規制だけではなく、誰もが能力を発揮できる職場を作るマネジメントの問題として防止等に取り組む必要があるとの指摘がなされたところである。

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