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6 定年後の社会保険制度

年金 ▶ 医療保険 ▶ 介護保険 ▶ 雇用保険
 

(2) 医療保険

医療保険は、国民皆保険制度ですから、退職後もいずれかの医療保険制度に加入することになります。加入手続が必要ですので、期限内に済ませてください。

退職後、健康保険適用事業所で民間企業に4分の3基準以上の勤務で再就職する場合は、勤務先の事業所の健康保険制度に加入することになります。

また、再就職先が健康保険の適用外事業所の場合や4分の3基準未満の再任用短時間勤務職員で5要件を満たさない場合、あるいは、どこにも再就職しない場合は、居住する市区町村の国民健康保険に加入するか、現在の所属共済組合の任意継続組合員(給付内容は在職中と同じ。)となるかを選択することになります。
   
  (注) 上記の例で、「国民健康保険又は共済任意継続組合員」に該当する場合でも、収入が一定額以下であるなどの条件を満たせば、子等の被扶養者になることもできます。

ア  健康保険
 
加 入: 再就職先が健康保険の適用事業所の場合は、「組合管掌健康保険(組合健保)」又は「全国健康保険協会(協会けんぽ)」に加入することになります。管轄の年金事務所で加入手続をする必要がありますが、手続は事業所側で行います。
 
保険料:組合健保の保険料は、各組合が定める保険料となります。
協会けんぽは、平成21年9月から、医療費等の実情に応じた都道府県ごとに保険料率(従前は全国一律の保険料率)が設定されています。令和3年3月(4月納入分)からの保険料は、給与月額(標準報酬月額)と賞与の額(標準賞与額)に9.51(新潟県)~11.00%(佐賀県)を乗じて得た額を、事業主と被保険者が半分ずつ負担することとなっています。この他に介護保険の保険料も併せて負担することされており、令和4年4月現在の保険料率は全国一律1.64%で、給与月額(標準報酬月額)と賞与の額(標準賞与額)にこの率を乗じて得た額を、事業主と被保険者で半分ずつ負担することになります。

なお、制度の詳細については、所管の年金事務所又は全国健康保険協会の各支部に照会してください。

医療費の一部負担金:入院、外来とも70歳未満の者は医療費の3割(義務教育就学前の被扶養者については2割)が自己負担になります。
なお、70歳から74歳までの被保険者や被扶養者には、加入している健康保険から「高齢受給者証」が交付され、医療機関等の窓口で健康保険証と併せて提示すると、標準報酬月額が28万円未満の場合は、医療費の自己負担額が2割となります。

イ  国民健康保険
 
加  入:退職日の翌日から14日以内に居住する市区町村の国民健康保険担当窓口で手続をしてください。前の保険が終了した日の翌日に遡って適用されますが、手続が遅れると保険給付が一時差し止められたり、延滞金の支払を求められることがありますので注意が必要です。

  保険料:各市区町村により異なります(基本額、前年所得による額又は前年の住民税額による額、世帯人員等による額等により算出)。
上記アと同様、介護保険の保険料も負担することになります。

  医療費の一部負担金:入院、外来とも医療費の3割が自己負担になります。
なお、「高齢受給者証」は市区町村から交付され、現役並み所得者以外の場合には、医療費の自己負担額が2割となります。
 
(注)現役並み所得者
世帯に課税所得が145万円以上の人がいる、かつ、高齢者複数世帯の収入の合計が520万円以上(高齢者単身世帯の場合は383万円以上)の人が該当
 
ウ  共済組合の任意継続組合員制度
 
加 入: 退職した日から起算して20日以内に退職の際に所属していた共済組合で手続をしてください(退職の日の前日まで引き続き1年以上組合員であったことが必要です。)。

加入期間: 退職した日の翌日から2年間が限度になります。脱退はいつでも可能です。

掛 金: 任意継続組合員となった場合の掛金は、いわゆる事業主(国)負担分も本人が負担して納付することになります。

(ア)任意継続組合員の掛金
 
「標準報酬月額 ×(短期共済掛金率 + 福祉掛金率(+ 介護掛金率)」という算式で掛金を求めます。
ここで算定基礎となる標準報酬月額は、「退職時の標準報酬月額」又は「前年の9月30日現在の所属共済組合の全組合員の平均標準報酬月額」のいずれか低い額になります。
 
任意継続組合員は、いわゆる事業者負担分(国等の負担金分)も併せて納付することになるため、掛金額は現役時の約2倍になります。
 
なお、掛金は任意継続組合員となった日の属する月から納付しなくてはなりません。
 
内閣共済の場合:通常組合員 39.44/1000の2倍の78.88/100
     (介護掛金:通常組合員 9.12/1000の2倍の18.24/1000)
※令和4年6月現在

(イ)掛金の前納
 
掛金をまとめて前納する場合には、前納する期間に応じた率が定められており、例えば、12月分の前納の場合には11.748502、6月分の前納の場合には5.931847を、毎月の掛金額に乗じた額となります。

なお、前納一括払いをする場合には、退職年度内の各共済組合が指定する日までに掛金を払い込む必要があります。
  
【国民健康保険の被保険者又は共済組合の任意継続組合員となった場合の比較】
国民健康保険の保険料(所得割)は、前年の所得を基に計算されます。そのため、退職直後の1年目の保険料は、退職前の比較的高い所得を基礎として計算されることにより、一般的に、共済組合の任意継続組合員となった場合の保険料よりも高くなる傾向があります。

2年目は、就業の有無、就業の形態(例えば、短時間再任用や再就職先での勤務形態など)によりますが、収入が減少した場合には、共済組合の任意継続の場合の保険料は退職時の標準報酬月額等を基礎としているため1年目と同額ですので、国民健康保険の保険料の方が低くなることもあります。保険料は市区町村によって異なります。いずれにしても所属の共済組合及び住所のある市区町村の担当窓口に照会し、確認してください。

なお、1年目は共済組合の任意継続組合員となり、2年目は国民健康保険に加入することは可能です。


エ  子等の医療保険の被扶養者になる場合

退職後、再就職をしないで、健康保険、国民健康保険、共済組合の任意継続組合員の被保険者にならず、子等の家族に扶養される場合は、当該家族が加入している保険制度の被扶養者になることになります。
被扶養者となるためには、60歳以上の者で所得に公的年金が含まれる者については年収180万円未満、それ以外の人については年収130万円未満であることに加えて、同一世帯の場合は当該家族(被保険者)の年収を上回らない、同一世帯でない場合は当該家族からの援助額より少ない、という所得制限があります。

オ  後期高齢者医療制度

「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき平成20年4月から始まった制度です。高齢化に伴う医療費の増大が見込まれる中で、高齢者と若者世代の負担の明確化等を図る観点から、75歳以上の後期高齢者全員と、65歳から74歳の前期高齢者で一定の障害認定を受けた者を対象とするもので、他の医療保険制度とは別の制度です。

これまでに加入していた医療保険(国民健康保険、被用者保険)から脱退して、後期高齢者医療制度の被保険者になります。

(ア)運営主体
都道府県ごとに全ての市区町村が加入する後期高齢者医療広域連合(以下「広域連合」という。)
 
(イ)被保険者
・ 広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者
・ 65歳から74歳の人で広域連合から障害認定を受けた者
 
(ウ)被保険者資格の取得
資格取得日は、75歳の誕生日
障害認定の場合は、保険者が障害認定した日
 
(エ)保険証の交付
被保険者へは1人1枚の保険証が交付されます。
 
(オ)保険料
被保険者が均等に負担する「均等割額」と所得に応じて負担する「所得割額」の合計額です。
保険料の徴収は、被保険者の年金支給額から特別徴収(天引き)されますが、手続をすれば口座振替によることもできます。
 
(カ)医療費の一部負担金
・入院、外来とも、原則医療費の1割
・現役並み所得者(前記イ(注)参照)は3割
 


(参考サイト)
 
 

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