2 定年後の生活設計

生活設計の必要性 ▶ 生活設計の作成手順 ▶ 家庭の人間関係 ▶ 地域社会との関係

(4) 地域社会との関係
定年後は、地域社会で過ごす時間が定年前に比べると多くなります。既に地域社会との関係を構築している人もいるとは思いますが、繰り返し転勤をしたり、公務が多忙であったりして、定年後に初めて地域社会を意識することになる人も多く、 「地域社会との関係を作れ」といわれても、どのようにしたらよいのかが分からない人も多いのではないでしょうか。

定年前までは、積極的に取り組まなくても、皆さん自身にとってはあまり影響がなかったと思いますが、定年後も近所付き合いはしたくないという人も含め、定年後に長くを過ごす生活空間として、これまで以上に地域社会と何らかの関わりを持った生活をすることが必要になります。

地域社会では、職歴、経験の異なる高齢者の方々が、町内会活動、趣味やスポーツ等のサークル活動などの多方面で活動し、住みやすい地域づくりの一翼を担っています。公務を通じて得た職場の人間関係が減っていく中で、地域において新たに築かれた人間関係は、皆さんの高齢期の生活をより豊かにしてくれるかもしれません。

定年前は、時間などの制約により参加が難しかったボランティア活動などを介し、皆さんが公務で長年培ってきた知識、経験、能力などを地域社会へ還元することもできます。定年後は、家庭に引きこもってしまうのではなく、自分が楽しんで関われる活動などを通じて、積極的に地域社会での互助関係を築いていくことが望まれます。


【全国各地のボランティア窓口】

都道府県・指定都市等におけるボランティア活動については、地域福祉・ボランティア情報ネットワークのホームページから全国各地のボランティア窓口をご覧ください。

[都道府県・指定都市社会福祉協議会/ボランティアセンター: https://www.zcwvc.net/]

【無給の公務員】

地域社会や支援を必要としている人々への貢献が期待される公的な制度として、法務省が所管する「保護司(無給の非常勤国家公務員)」や厚生労働省が所管する「民生委員(無給の非常勤地方公務員)」等があります。

ご興味がある方は、それぞれのホームページをご覧ください。


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【社会的な活動をしていてよかったこと】

平成28年度に内閣府が実施した「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(60歳以上の者を対象に調査)によると、社会的な活動(最も力を入れている活動)をしていてよかったことは、全体では「新しい友人を得ることができた」(56.8%) や、「地域に安心して生活するためのつながりができた」(50.6%)との回答が5割台と高くなっています。

それに続いて、「社会に貢献していることで充実感が得られている」(38.2%)、「健康維持や身だしなみにより留意するようになった」(32.8%)が多くなっています。

【高齢者が参加している団体等】

高齢者が参加している団体について、平成25年度に内閣府が実施した「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」(60歳以上の者を対象に調査)によると、「町内会・自治会」が26.7%と最も多く、約4人に1人が参加しています。

男性は女性に比べて、町内会・自治会や退職者の組織(OB会など)等への参加率は比較的高くなっていますが、趣味や学習・教養のサークル・団体などへの参加率は比較的低くなっています。


(参考) JICA海外協力隊

JICA海外協力隊は、開発途上国からの要請(ニーズ)に基づき、それに見合った技術・知識・経験を持ち、「開発途上国の人々のために生かしたい」という強い意欲を持つ方を募集し、選考、訓練を経て派遣するもので、①開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与、②異文化社会における相互理解の深化と共生、③ボランティア経験の社会還元、これらを主な目的としています。

【一般案件(広く職種で応募する区分)】
  「自分の持っている技術・知識や経験を開発途上国の人々のために生かしたい」という強い意欲を持つ方が、職種を選んで応募します。

(青年海外協力隊・海外協力隊の職種)
 コミュニティ開発、コンピュータ技術、野菜栽培、電子工学、自動車整備、経営管理、青少年活動、スポーツ全般、理科教育、小学校教育、日本語教育、看護師、感染症・エイズ対策、障害児・者支援など

(日系社会青年海外協力隊・日系社会海外協力隊の職種)
 日本語教育、小学校教育、家畜飼育、経営管理、保健師など

【シニア案件(一定以上の経験・技能等が必要な個別案件へ応募する区分)】
「自分の持っている専門的な技術・知識や経験を開発途上国の人々のために生かしたい」という、より高い専門性を持つ方が、案件を選んで応募します。

(シニア海外協力隊の職種)
 野菜栽培、電子工学、自動車整備、経営管理、スポーツ全般、理科教育、小学校教育、日本語教育、看護師、障害児・者支援など

(日系社会シニア海外協力隊の職種)
 日本語教育、小学校教育、家畜飼育、経営管理、保健師など

《応募資格等》
(1)応募資格:20歳から69歳までの日本国籍を持つ方
(2)募集期間:春募集・秋募集の年2回
(3)派遣期間:原則として2年間
(4)選考方法:

  以下の選考過程を通じて、人物、技術、語学、健康、適性の観点で総合的に審査を行います。
・ 一次選考:書類選考
・ 二次選考:面接
・ 適性審査(Web版、自宅受験可)

(5)訓練期間:
派遣前には、現地での活動に必要となる語学力や実務能力、危機管理能力等を身に付けるために、原則として約70日間程度の派遣前訓練(合宿)を受けることになります。
(6)待遇:
現地生活費、住居費(派遣先国から住居の提供がない場合)、往復渡航費、国内手当(無給休職または無職の方には、訓練前訓練中や派遣中に国内で支出が必要な経費等に役立てるために手当を支給します。ただし、派遣時点で65歳以上の方は、支給対象外)が支給されます。

【短期派遣(一般案件、シニア案件)】
JICA海外協力隊には、アジア・アフリカ・中南米・大洋州・中東の国々で1ヵ月から1年未満の活動を行う短期派遣もあります。

(短期派遣の活動分野/職種)
 コミュニティ開発、コンピュータ技術、野菜栽培、自動車整備、経営管理、青少年活動、スポーツ全般、理科教育、小学校教育、看護師、感染症・エイズ対策、障害児・者支援など

以上のJICA海外協力隊への応募の詳細については、JICA海外協力隊ホームページ内の「募集情報」をご覧ください(https://www.jica.go.jp/volunteer/application/)。

(注)JICAでは「協力隊員については、特に脆弱な活動環境にあることから、JICA事務所の実施体制や派遣国・派遣地の状況を確認し、コロナ禍における渡航再開を慎重に進めています。」としており、応募を検討される方は、最新の情報を確認するようにしてください。
JICA海外協力隊公式ウェブサイト:https://www.jica.go.jp/volunteer/index.html

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