3 退職等年金給付制度

被用者年金制度の一元化により、国家公務員は、平成27年10月から「厚生年金保険制度」の適用を受けることとなり、「職域加算額」の廃止に伴い新たに創設された「退職等年金給付制度」の適用を受けることとなりました。

退職等年金給付には組合員又は組合員であった者の退職による退職年金、公務上の障害を支給事由とする公務障害年金、公務上の死亡を支給事由とする公務遺族年金の3種類があります。


(1)退職年金

平成27年10月以後の期間を有する国家公務員には、老齢厚生年金と併せ、原則65歳から退職等年金給付制度による「退職年金」が支給されます。

なお、平成27年9月までの期間を有する者については、退職共済年金として「経過的職域加算額」も支給されます。

手続が必要になりますが、当分の間、受給開始を60歳以上65歳に達する日の前日までの希望するときからに変更することができます(繰上げ受給)。ただし、この請求は、終身退職年金と有期退職年金を同時に行う必要があります。

また、65歳を超え75歳に達する日の前日までの間の希望するときからに繰り下げて受給することもできます。この申出は、繰上げ受給と同様、終身退職年金と有期退職年金を同時に行う必要があります。    

【受給要件】

 次のすべての条件を満たしているときに支給されます。

  • 65歳に達していること
  • 退職していること
  • 1年以上の引き続く組合員期間を有していること

【退職年金の種類】

 退職年金は、次の2種類に分類されます。

ア 終身退職年金

支給期間を終身とする年金

イ 有期退職年金

支給期間を240月とする年金(当該年金の給付事由が生じた日から6月以内に、退職年金の請求と同時に「支給期間を120月」とする短縮の申出を行うことが可能。年金ではなく一時金としての受け取りも可能。(下記の【年金等額】のウ参照。)
 

【年金等額】

 退職年金の年金等の額は、給付算定基礎額を基礎としてそれぞれ次のように計算されます。

給付算定基礎額 =
(平成27年10月1日以後の組合員期間に係る各月の標準報酬の月額及び標準期末手当等の額 × 付与率)の累計額 + 当該各月から給付事由が生じた日の前日の属する月までの期間に応じ、基準利率により複利計算の方法で計算した利子の総額
 

 ア 終身退職年金額

(当初決定時から9月30日までの年金額)

終身退職年金額 = 終身退職年金算定基礎額※1  / 給付事由発生時の受給権者の年齢区分に応じた終身年金現価率※2

※1 給付算定基礎額の1/2の額
      (ただし、組合員期間が10年未満の時は1/4)
※2 毎年9月30日までに、連合会の定款で定める率
 

(10月1日以降の決定額)

終身退職年金額=各年の10月1日から翌年9月30日の終身退職年金算定基礎額※3 / 各年の10月1日における受給権者の年齢区分に応じた終身年金現価率※2

 ※3  各年の9月30日における終身退職年金額 × 同日における受給権者の年齢(各年の3月31日における受給権者の年齢+1歳)に対して適用される終身年金現価率※2

 
イ 有期退職年金

(当初決定時から9月30日までの年金額)

有期退職年金額 = 有期退職年金算定基礎額※1 / 支給残月数※2に応じた有期年金現価率※3

※1 給付算定基礎額の1/2の額
      (ただし、組合員期間が10年未満の時は1/4)
※2 「240月(短縮申出があった場合は120月)- その年の9月分までの有期退職年金の支給済月数」により計算した支給残月数
※3 毎年9月30日までに連合会の定款で定める率
 

(10月1日以降の決定額)

有期退職年金 = 各年の10月1日から翌年9月30日までの有期退職年金算定基礎額 / 各年の10月1日における支給残月数に応じた有期年金現価率※4

※4 各年の9月30日における有期退職年金額 × その年の10月1日における支給残月数に応じて適用される有期年金現価率
 

 ウ 有期退職一時金

給付事由が生じた日から6月以内に請求することで、有期退職一時金として受給することができます。ただし、この請求は退職年金の請求と同時わなければなりません。

            
 
(2)公務障害年金

平成27年10月以後の組合員である間に初診日のある公務傷病(公務による傷病または負傷に係る傷病のこと。通勤災害は除く。)により、1級から3級以上の障害状態に該当したときは、障害厚生年金と併せ、退職等年金給付制度による「公務障害年金」が支給されます。

なお、受給権者が組合員であるとき、3級以上の障害等級に該当しなくなったときは、当該年金の支給が停止されます。

また、死亡したとき、障害程度非該当となった者が65歳に達したとき(ただし障害程度が非該当となった日から3年が経過していないときを除く。)は、当該年金の受給権は消滅します。

 
(3)公務遺族年金

平成27年10月以後、公務傷病(通勤災害は除く)により死亡したときは、遺族厚生年金と併せ、退職等年金給付制度による「公務遺族年金」が支給されます。

遺族の範囲と順位は、遺族厚生年金にかかる遺族と同様です。

なお、夫、父母、祖父母に対する公務遺族年金は、受給者が60歳に達するまでの間は、支給が停止されます。

また、死亡したとき、離婚したとき、直系血族及び直系姻族以外の養子となったときなどに該当したときは、当該年金の受給権は消滅します。

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